2006 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の根源的コモンセンス獲得のためのマルチモーダル行動コーパスの研究
Project/Area Number |
17300045
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
竹林 洋一 静岡大学, 創造科学技術大学院, 教授 (10345803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北澤 茂良 静岡大学, 情報学部, 教授 (00109018)
杉山 岳弘 静岡大学, 情報学部, 助教授 (70293595)
秡川 友宏 静岡大学, 情報学部, 助手 (90324326)
坂根 裕 静岡大学, 情報学部, 助手 (40345806)
桐山 伸也 静岡大学, 情報学部, 助手 (20345804)
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Keywords | 幼児教育 / コモンセンス / 行動コーパス / マルチモーダルコーパス / 教材開発 / 行動観測 / 階層的思考モデル / 親子共学 |
Research Abstract |
本研究では、人間の基本的なコモンセンス知識の解明の基盤となる「幼児の行動コーパス」の構築を目指している。18年度は、行動コーパスから指差し行動に関する知識モデルを構築し、シミュレーションによって検証した。教材コンテンツ制作についても、教材開発、教室での実践、教室収録による評価というステップで改良を進める体制を実現した。当初の予定通り、プロジェクト遂行に必要な環境を一通り完成させた。以下に研究計画書に記載したテーマ毎に進捗状況を報告する。 (1)収録環境デザイン:新規参加者を迎えて幼児教室の継続開催を実現した。HDDベースの映像収録と音声データとの同期保存を常用化し、行動コーパス構築のための素材データを自在に閲覧できる環境を整備した。 (2)行動コーパス構築:複数チャネルの映像・音声データを自在に切り替えて視聴可能とし、注釈入力支援機能を充実させ、定期開催のカンファレンスで注釈を検証するなど、行動コーパス構築の方法論を確立した。 (3)教材コンテンツ制作:教室講師と行動分析研究者が協力して教材を定期的に作成し、幼児の教材使用場面を行動コーパスに蓄積した。コーパスの解析により、幼児が新たな遊び方を創造する場面などを抽出し、教材使い方コンテンツを作成した。 (4)コモンセンス抽出:行動コーパスから指差し行動を抽出・分析し、しぐさ・視線・発話の各モダリティの発達過程をモデル化し、シミュレーションシステムに組み込んで検証した。ミンスキーの階層的思考モデルによる解析により、多層的で複雑な幼児の思考に関する知見を得た。 以上のように,各サブテーマが行動コーパスを中心としてシームレスに繋がり、コーパスをスパイラルに発展させる方法論を構築できた。最終年度は、教室運営体制の改善、統合的行動分析支援システムの開発、教材コンテンツの量産、コモンセンス抽出のカンファレンスデザインなど、構築した新しい方法論に沿って実務と基礎研究の両面から研究を進め、研究成果を積極的に発表する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] 幼児のコモンセンス知識抽出のためのマルチモーダル幼児行動収録観察環境の構築2006
Author(s)
竹林, 桐山, 坂根, 坂根, 大谷, 山本, 石川, 川口, 辻, 仲川, 笠見, 北澤
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Journal Title
日本音響学会2007年春季研究発表会
Pages: 2-9-11
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