2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体の薬物代謝酵素を利用した、デバイスアレイ型人工嗅覚システムの開発
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17300058
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三林 浩二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (40307236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 公雄 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (00211798)
小川 充洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30322085)
斉藤 浩一 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教務職員 (00205668)
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Keywords | 匂いセンサ / バイオセンサ / バイオスニファ / 薬物代謝酵素 / 窒素化合物 / トリエチルアミン |
Research Abstract |
研究課題の遂行において本年度には、匂い成分に応じたセンサ素子の開発と特性評価を行った。 薬物代謝酵素は例え味覚や嗅覚にて検知されずに体内に入った有害物質でも解毒・分解する優れた能力を有する半面、多様な科学種を対処しなければならないため、一般的な酵素に比して基質特異性が低い。つまりガスセンサとして用いた場合、ガス選択性が劣るものの多様な同属化学物質を認識できるメリットがある。そこで薬物代謝酵素を準備し、市販センサと組み合わせ、ガス種に対する選択性や応答特性を調べた。 実験では代表的な匂い物質である。揮発性窒素化合物(トリエチルアミン、TEA)、について生体内でそれぞれ代謝分解する薬物代謝酵素を選択し、高感度センサの開発を行った。肝臓には化学物質を分解する薬物代謝酵素が存在し、その一つであるフラビン含有モノオキシゲナーゼtype3(FM03)はトリエチルアミンなどの窒素化合物を選択的に酸化触媒することから、この時に消費される酸素を検出することで、トリエチルアミンを検知し濃度を計測することができる。そこで本研究ではFM03を用いてTEA溶液用バイオセンサを作製し特性を調べ、TEAガス計測に適用した。TEA計測用バイオセンサは、FM03酵素固定化膜を市販のクラーク型酸素電極の感応部に取り付け作製した。FM03固定化バイオセンサの特性を液相実験にて調べたところ、本センサにてTEA溶液を0.5-4.0mmol/lの範囲で定量が可能であった。さらにFM03バイオセンサをバイオスニファとし、TEAガス計測に適用したところ、ACGIHの定める許容濃度(3ppmTEAガス)の検出が可能であり、TEAガスを簡便に測定できることが確認された。以上、FM03酵素固定化バイオセンサを作製し、匂い成分であるTEAの液相系及び気相系での計測が可能であった。
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Research Products
(3 results)