2005 Fiscal Year Annual Research Report
対話型進化計算と生理的解析に基づくマルチメディア視聴者の情動制御に関する研究
Project/Area Number |
17300073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高木 英行 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助教授 (50274543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿貫 茂喜 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (00158677)
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Keywords | 生理反応 / 物理特徴量 / 情動制御 / 映像 |
Research Abstract |
本研究の全体取組みは以下の通りである. 1.映画の各種シーンの物理信号の共通特徴抽出と,感動時の生理的反応の特徴把握 1.1感動シーンの収集 1.2感動シーンの物理的特徴量解析 2.文脈(ストーリ)を外した物理信号の特徴量変化と生理的反応との関係抽出 3.拡張インタラクティブ進化計算による,生理反応の制御 H17年度は,1.1と1.2を中心に行い,H18年度の1.3の準備のために生理計測機器を整備した.複数の映画からタイプの異なる20秒程のシーンを40シーン程切り出し,生理反応に影響を与える可能性の高い物理的画像特徴量を抽出している. 成果は,生理計測なしに生理反応に影響を与えるであろう物理特徴の抽出方法の提案と,その方法による物理的特徴の抽出である.映像シーンに対する物理特徴は非常に多く,時間のかかる生理計測をしながら生理反応に影響のある物理特徴を特定することは現実的ではない. そこで生理反応に対応すると考えられる2要素からなる空間(生理空間と呼ぶ)を考え,印象に基づいて切り出した各種のシーンを生理空間に配置する.ある物理特徴を取り上げてこれらのシーンの物理特徴量を求める.もし,この物理特徴量が生理空間上のシーンの分布を説明できるのであれば,この物理特徴は生理反応に影響を与える可能性がある.この方法で生理反応に影響を及ぼす物理特徴候補を絞り,2の生理計測で実際に反応に関係するかどうかを最終確認する. 生理空間として,(緊張-弛緩)軸と(爽快-陰欝)軸からなる2次元空間を考え,30人程の被験者実験を通じて,40程の映画シーンを生理空間に配置した.カメラ切り替わり時間周期や各画面色平均のXY色度図の中心からの距離は,(緊張-弛緩)軸に対して相関0.5前後の高い値を示し,生理計測なしに生理反応に影響を与える可能性のある物理特徴の選別を行うことができた.
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Research Products
(2 results)