2005 Fiscal Year Annual Research Report
言語知識とその獲得・運用機構を説明する言語機能モデルの構築と言語教育への応用
Project/Area Number |
17300086
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大津 由紀雄 慶應義塾大学, 言語文化研究所, 教授 (80100410)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 誼余夫 放送大学, 教養学部, 教授 (60049575)
今西 典子 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (70111739)
鈴木 猛 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00187741)
杉崎 鉱司 三重大学, 人文学部, 助教授 (60362331)
|
Keywords | 言語機能 / 言語獲得 / 言語運用 / 生成文法 / 言語教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)言語知識とその獲得・運用機構を説明する言語機能モデルを構築すること、(2)理論的および実証的方法を駆使して、人間の認知システムにおける言語機能の明確な位置づけを行い、さらに、(3)その研究成果を言語教育に応用することにある。 本年度の成果は以下のとおりである。 1 認知体系内で言語機能(FL)と感覚・運動体系(SM)とのSMインターフェイスおよびFLと概念・意図体系(C-I)とのC-Iインターフェイスの特性を詳細に考察し、言語獲得機構がこの2つのインターフェイスを介して他の認知体系とどのように係わり合うかを明らかにすることが普遍文法研究の進展に貢献をなすという視点により、本年度は英語を中心としてゲルマン諸語の相関接続詞構造の特性を考察した。 2 日本語における基本語順、日本語において「話題」を示す「は」、英語の'one'の代名詞的用法などを中心的テーマとして、幼児の言語習得過程を詳細に分析した。その結果はどれも、ヒトの言語習得が遺伝により生得的に与えられた言語知識によって非常に早い段階から制約されていることを示すものであった。 3 統語構造と主題役割との相関関係を捉えるためHale&Keyserの枠組みを批判的・建設的に検討し発展させ、経験的・概念的により妥当な理論の構築を目指した。 4 ChomskyのAgreeから導かれるmorphological agreementとstructural Caseの分析を、より妥当な分析を求めて、批判的・建設的に検討した。 5 言語の普遍性に基盤を置く言語教育の可能性について、理論的・実証的調査を行った。後者については、筑波大学附属駒場高等学校において実験授業を行った。
|
Research Products
(12 results)