2005 Fiscal Year Annual Research Report
新機軸に基づく動的ポートフォリオ選択問題の理論的研究とその応用
Project/Area Number |
17300087
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
三浦 良造 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 教授 (30107081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 信弘 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 助教授 (90323899)
長山 いづみ 一橋大学, 大学院・国際企業戦略研究科, 助教授 (50334595)
上村 昌司 一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 講師 (50323902)
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Keywords | 確率的ポートフォリオ / 確率微分効用理論 / 後向き確率微分方程式 / 動的ポートフォリオ問題 |
Research Abstract |
再帰的効用の動学的確率変動版である確率微分効用理論に基づく最適ポートフォリオ・消費選択問題を研究し、平成17年度は以下のような研究成果を挙げた。確率的最大原理より導かれるその最適解は、前向き-後向き確率微分方程式(FBSDE)の解で特徴付けられるが、その解を求めるための2つの数値計算法への貢献である。一つめは、FBSDEを離散近似する際に、ファイナンスで確立されている格子法を用いたもの、2つめはFBSDEに付随して現れる準線形偏微分方程式を解く4段階数値計算スキームを工夫したものである。その他、下方リスクを考慮した確率微分効用理論に基づく最適ポートフォリオ・消費選択問題の研究や、最適リスク移転問題、レジームシフトがある資産、証券に対する同様の最適化問題を研究した。 株式市場において、各銘柄の市場総額の大きさの順位を利用してポートフォリオを作るストカスティックポートフォリオ理論の特性を理論的に把握した。それは、いわゆる規模効果(規模は市場総額を指す)を利用している点が本質的である。しかし規模効果についてはよく語られてきたがそれをポートフォリオ構成の仕方に取り入れるにはこれまで感覚的なものであったように思われる。ストカスティックポートフォリオ理論では、規模効果の取り入れ方を市場総額順位の関数を導入し、その関数値をポートフォリオ投資比率とする数学的に明示的な形で表現している。さらに数理的にこのようにして作ったポートフォリオの価額が、通常の平均分散アプローチによる市場総額比率を利用するいわゆる市場ポートフォリオよりも確率1で大きくなることを示している。ここで重要になるのは、次期の順位を推定できるかという問題である。この理論的把握を市場データ上で確認するために、また順位の推定方式を探るために株価データベースの構築を行っているのが現段階である。
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Research Products
(6 results)