2006 Fiscal Year Annual Research Report
自由エネルギー解析法の開発と糖鎖構造計算ライブラリーの構築
Project/Area Number |
17300093
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上田 一義 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (40223458)
|
Keywords | 糖鎖構造 / 分子シミュレーション / 自由エネルギー / バイオインフォマティックス |
Research Abstract |
本研究は、溶液中における糖鎖の立体構造解析を分子動力学コンピューター・シミュレーション法により行うものである。その新しい方法としてアンブレラサンプリングの方法を適用した自由エネルギー解析法を開発することを目的とした。この方法は、これまで糖鎖の立体構造解析がほとんど真空中で行われていたのに対し、溶媒分子との相互作用を考慮に入れた溶液中における糖鎖の立体構造を解析する方法を提供するものである。この方法と通常の分子動力学シミュレーションを組み合わせてグリコプロテインなどの立体構造解析を行い、今後のバイオ研究において益々重要になると思われる糖鎖の構造と機能、さらには構造予測の研究を進めたい。 18年度の研究実績は以下の通りである。まず、昨年度に引き続き糖鎖のエネルギーマップを作成する。その解析のターゲット糖鎖として今年度は特にグリコプロテインの中から免疫グロブリンに結合した糖鎖を選んだ。その糖鎖を構成する多種類の2糖の立体構造を一部決定した。免疫グロブリン糖鎖を構成する残りの糖鎖についての2糖の構造決定は次年度で引き続き行う予定である。決定した2糖単位はグリコプロテインの代表的構成単位を含んでおり、「糖鎖構造計算ライブラリー」を作成していく上でコアーのデーターとして重要である。この研究においては、前年度に継続して、本申請の経費で研究支援者を雇用した。また、計画書の「設備備品費」の項で示した、計算能力の高いクラスター型コンピューターについても導入することが出来た。
|
Research Products
(8 results)