2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模分散処理に適したマルチ分子オブジェクト法による分子計算技術の研究
Project/Area Number |
17300094
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
後藤 仁志 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60282042)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関野 秀男 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 教授 (40335104)
墨 智成 豊橋技術科学大学, 大学院工学研究科, 助教 (40345955)
市川 周一 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (70262855)
|
Keywords | 計算化学 / 分子性結晶シミュレーション / 結晶多形 / 電荷平衡法(QEq) / 密度汎関数理論(DFT) / 高速多重極展開法(FMM) / 並列分散処理技術 / 不均一クラスタ |
Research Abstract |
本研究は大きく分けて(1)マルチ分子オブジェクト法のための分子計算プラットフォームの構築、(2)階層化分子シミュレーションのための分子計算技術の開発、(3)不均一計算タスクの負荷分散アルゴリズムの開発、の3つの部分からなる。それぞれに関する研究実績の概要を以下に示す。 (1)では、昨年完成させて分子オブジェクト法による結晶計算システムを用いて,大規模系の結晶シミュレーションを行った。その結果,400万原子で構成される直径400Åもの分子性結晶の結晶計算に成功している.また、計算精度をさらに高めるため、電荷平衡法の更なる改良を行い,実測の双極子能率をほぼ完全に再現した(RMSD:0.35D,相関係数0.9). (2)では、FMM(高速多重極展開法)を改良することによって,タンパク質やDNAなどの分子シミュレーションに必要なクーロン力計算の計算コストの増大無しに精度を上げることを可能にした.一方,高精度な水和構造の記述を目指して,分子間の配向相関を露に考慮した密度汎関数理論(DFT)に基づく新たな統計力学的手法の開発を行った.この手法を蛋白質の立体構造の安定性に重要だと考えられている疎水性相互作用の解析に適用したところ,疎水性相互作用の定性的な記述か可能で,水素結合や配向相関といった水の特徴が疎水性物質表面に対するdryingもしくはde-wetting現象に関与している事が示された. (3)では、演算性能が不均一なヘテロ分散計算環境において複数の計算タスクを効率的に処理するための基本アルゴリズムを構築し、検証を開始した。CONFLEXのタスクは我々が用意した不均一PCクラスターに対して重すぎるため,有効な検証を行えなかった.今後,この問題を解消して,検証を続ける予定である.
|
Research Products
(6 results)
-
-
[Journal Article] Drug discovery using grid technology2006
Author(s)
H.Goto, S.Obata, T.Kamakura, N.Nakayama, M.Sato, Y.Nakajima, U.Nagashima, T.Watanabe, Y.Inadomi, M.Ito, T.Nishikawa, T.Nakano, L.Nilsson, S.Tanaka, K.Fukuzawa, Y.Inagaki, M.Hamada, H.Chuman
-
Journal Title
Modern Methods for Theoretical Physical Chemistry for Biopolymers( E.B.Straikov, J. P. Lewis, and S. Tanaka, Eds.)( Elsevier B. V.)
Pages: 227-248
-
-
-
-