2006 Fiscal Year Annual Research Report
酸化還元酵素の立体構造に基づく触媒機構の網羅的解析及び分類法の開発
Project/Area Number |
17300097
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
長野 希美 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 主任研究員 (70357648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 弘毅 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報工学研究センター, 産総研特別研究員 (90399501)
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Keywords | 酸化還元酵素 / 触媒機構分類 / 電子移動反応 / 蛋白質立体構造 / フラグメント分子軌道法 / 酵素活性部位 |
Research Abstract |
酸化還元酵素が触媒する反応は、電子移動反応(Electron transfer)、水素化物イオン移動反応(Hydride transfer)、酸素化反応(Oxygenation)等に大別できる。平成18年度は、電子移動反応(Electron transfer)の触媒機構について、文献情報や蛋白質立体構造等のデータベースに基づき、系統的な解析・分類を行った。電子移動反応を触媒する酵素では、電子の受け渡しをする補酵素を複数持つ場合が多い。これらの補酵素の種類を解析すると、鉄、銅などの無機系の補酵素、炭素・窒素原子を含む有機化合物で構成される補酵素(FAD、FMN等)、無機物と有機物の両方で構成される補酵素(ヘム等)など、3種類に大別できる。電子移動反応では、反応機構は次のように大別できた。 (A)共有結合を形成せず、蛋白質・補酵素を媒体として電子が移動する;主に、無機系の補酵素が関与 (B)システイン残基のジスルフィド基のように、共有結合を介し電子が移動する;有機系の補酵素やシステインが関与 加水分解・転移反応の場合、触媒残基・補酵素とそれらの標的となる因子を同定することにより、複雑な触媒機構を記述・比較できることを研究代表者・長野は見出している(Proteins,66,147-159(2007))。(B)の場合、加水分解・転移反応と同様に、求核基や塩基などが存在するので、こうした触媒因子を同定する必要があることが判明した。それに対し、(A)の場合は、媒体となるアミノ酸残基や補酵素の原子種等を記述すれば良いことが判明した。これまでの解析結果では、親水性アミノ酸残基よりも疎水性アミノ酸残基が頻繁に媒体となっていることが判明した。電子移動反応のデータは下記のサイトで公開を開始している。 http://mbs.cbrc.jp/EzCatDB/RLCP/r10/index.html
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Research Products
(5 results)