2007 Fiscal Year Annual Research Report
Wntシグナルを活性化する新規DIX蛋白Ccd1の神経回路形成における役割の解析
Project/Area Number |
17300098
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桝 正幸 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20243032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桝 和子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50344883)
塩見 健輔 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00311598)
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Keywords | Wntシグナル / βカテニン / DIXドメイン / CHドメイン / アクチン |
Research Abstract |
Wntシグナルは、発生期の体軸形成、分化、誘導を担い、軸索ガイダンス、シナプス形成においても重要な役割を持つ。Wntシグナル伝達には、βカテニン経路、PCP経路、Ca2+経路など複数の経路が存在するが、下流の情報伝達系やその調節機構については不明な点が多い。我々は、Wnt/βカテニン経路の情報伝達に必須なDishevelled(Dvl)とAxinの両者に保存されたDIXドメインを持つ第三の分子としてゼブラフィッシュCcd1(Coiled-coil-DIX1)を単離し、Ccd1がin vitro及びin vivoでWntシグナルを活性化し、神経パターン形成に重要な役割を持つことを報告した。マウスのCcd1遺伝子を単離したところ、プロモーターの使い分けにより、ゼブラフィッシュCcd1と相同な構造を持つCcd1Bタイプ以外に、CHドメインをN末端に持つCcd1Aタイプが存在することを見出した。ゼブラフィッシュから単離したCcd2はCcd1Aタイプのみをコードすることを明かにした。培養細胞に発現させると、Ccd1B蛋白は小胞として細胞全体に分布したが、Ccd1A蜜白はアクチン繊維と共局在した。更に、Dvl蛋白の局在がCcd1AまたはCcd1Bの発現により変化することから、細胞内でDvl蛋白とCcd1蛋白が相互作用することが示唆された。ノックアウトマウスは、完全な機能喪失型ではなく、partial loss of functionになっていると考えられ、大きな異常は見られなかった。ゼブラフィッシュ胚にCcd2遺伝子に対するモルフォリノオリゴヌクレオチドを微量注入したところ、体軸が腹側に屈曲する表現型(curly tail-down phenotype)が観察された。この異常はNodal、ヘッジホッグ系の変異体でも観察されることから、Ccdを介したシグナルも正中部形成と関連する可能性が考えられた。
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Research Products
(14 results)