2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17300107
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
笹井 芳樹 独立行政法人理化学研究所, 細胞分化・器官発生研究グループ, グループディレクター (20283616)
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Keywords | 神経分化 / 脳発生 / 前脳 / 中脳 / Sal / 転写因子 / Tsh3 |
Research Abstract |
本研究では中枢神経系の前後軸のパターン形成の分子機構を解明するため、Znフィンガー型転写因子XsalFおよびその関連遺伝子ネットワークの前脳・中脳発生における役割について、アフリカツメガエルを用いて研究を行ってきた。XsalFは中枢神経系の吻側領域の決定因子であることをこれまでに証明したが、今年度さらにXSalFに拮抗するZnフィンガー型転写因子としてXTsh3を同定し、カエル胚(尾芽胚)の尾側中枢神経系に特異的に発現し、同部位の発生を促進することを見いだした。微量注入法により、XTsh3を外胚葉に強制発現すると神経系を尾側化し、前脳の発生を抑制した。逆にXTsh3-MOによる外胚葉での機能阻害では、前脳の拡大を誘導した。細胞内シグナル解析により、XTsh3はWnt/beta-catenin系を促進することが明らかとなった。XTsh3はbeta-cateninおよびTcf3と結合し、Wntシグナルによる核内転写の強化因子として働くことを証明した。そのことと一致して、XTsh3-MOによる中内胚葉での機能阻害では、原腸胚での背側軸形成が強く抑制され、腹側化の表現系を見た。XSalFはWntシグナルに対する反応性を低下させることで胚パターン形成を行うことを既に報告したが、XSalF-Tsh3という2つのZnフィンガー型転写因子によって、細胞のWntシグナルへの反応性が正負に制御される機構が初期胚の軸形成に決定的な役割を果たすことが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)