2005 Fiscal Year Annual Research Report
大脳新皮質層形成と層特異的神経回路網形成のメカニズム
Project/Area Number |
17300111
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺島 俊雄 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20101892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 知志 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90244681)
勝山 裕 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10359862)
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Keywords | リーリン / 大脳皮質 / 層構造 / リーラーマウス |
Research Abstract |
reelin遺伝子欠損変異マウスリーラーでは大脳皮質の各層が放射軸方向に逆転とされているが、今回我々は層特異的遺伝子マーカーを用いたin situ hybridization法によって生後10日目のリーラー大脳皮質の形態異常について調べた。Tbr1、RORb、mSorLAのRNAプローブを用いてin situ hybridization後、2次抗体としてanti DIG(digoxigenin)-APを用いた。基質としてNBT/BCIPを用いアルカリホスファターゼ発色を行った。正常大脳新皮質ではmSorLAが2/3層により強い遺伝子発現の勾配を示した。RORbの発現は4層に極めて強く5層にも若干のRORb発現細胞を認めた。Er81は5層に選択的に発現するが、5層の全ての細胞において発現が認められるわけではない。Tbr1の主な発現は6層である。またTbr1を弱く発現する細胞が3層と5層の下方において見られた。これらの遺伝子のリーラー脳における発現を調べ、正常脳のそれと比較した。RORb、Er81の遺伝子発現の前後軸、内外側軸に沿った勾配パターンはリーラー脳においても保存されていた。層構造が明瞭な一次体性感覚野のバレル領域に注目すると、各遺伝子マーカーで観察されるような層構造がリーラーでは極めて不明瞭になっていることが分かった。例えば皮質第2/3層マーカーのmSorLAと皮質5層マーカーのEr81発現細胞はリーラーの皮質全層に渡って均一に分布し、皮質第4層マーカーRORbを発現するニューロンは、リーラーでは皮質の深層3分の2の領域に広く分布した。皮質第5層マーカーTbr1を発現するニューロンは、リーラー皮質の最表層と最深層に二峰性に分布した。以上の結果から、リーラー大脳皮質における神経細胞移動異常の様式について新しい知見を得ることができた。
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Research Products
(5 results)