2006 Fiscal Year Annual Research Report
大脳新皮質層形成と層特異的神経回路網形成のメカニズム
Project/Area Number |
17300111
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺島 俊雄 神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20101892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 知志 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90244681)
勝山 裕 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (10359862)
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Keywords | カルボシアニン / リーラー / ヨタリ / SRK / 大脳皮質 / リーリン / 皮質脊髄路 / 皮質視床路 |
Research Abstract |
私たちの研究室にて系統の維持を行っているリーラーマウス、SRKラット、ヨタリマウスノックアウトマウスのヘテロ親を交配し、膣栓確認後15-20日に母ラットを灌流固定し、胎仔を得た。ホルムアルデヒドで固定された胎仔脳の大脳脚、視床、反対側大脳皮質にカルボシアニン蛍光色素DiIあるいは4DiI-10ASPを注入し、およそ5週間、遮光して緩衝液内に脳を保存した。カルボシアニン蛍光色素が軸索膜脂質層を物理的に側方拡散することを利用して運動野の第6層を占める視床皮質投射ニューロン、5層を占める皮質脊髄路ニューロン、主に2/3層を占める脳梁交連系ニューロンを逆行性に標識して蛍光観察した。また生後各時期の上記のミュータント動物および対照動物の脊髄にFast Blue、視床外側腹側核にDiaminido Yellow、反対側大脳皮質にDextran amineを注入して、皮質第5層の皮質脊髄路ニューロン、皮質第6層の皮質視床投ニューロン、皮質2/3層の脳梁交連線維系ニューロンをそれぞれ標識し、相互の位置関係を調べた。その結果以下の研究成果を得た。 1 正常およびミュータント動物の胎生15日〜19日までのアルデヒド固定脳の大脳脚にDiIを注入しても、逆行性標識ニューロンは大脳皮質には認められなかった。皮質脊髄路が大脳脚に達していないと考えられた。胎生20日に初めて皮質脊髄路ニューロンが逆行性に標識された。正常マウスと正常ラットでは標識ニューロンは皮質板の中層に認められたが、リーラーマウス、SRKラット、ヨタリマウスでは皮質板内に広く分散した。 2 正常およびミュータント動物の胎生15日のアルデヒド固定脳の視床にDiIを注入したところ、正常動物では皮質板の深層に逆行性標識ニューロンが観察された。一方、リーラー、ヨタリ、SRKでは逆行性標識ニューロンは皮質板の最表層に配列した。
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Research Products
(5 results)