2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路網形成過程における細胞内シグナル伝達機構の解析
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17300117
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
柳 茂 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (60252003)
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Keywords | 脳神経 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
私はCRMPに結合する新規シグナル分子としてCRAMを発見し、続いてCRAMに結合するチロシンキナーゼFes/Fpsを同定し、Fes/Fpsがセマフォリンを介するシグナル伝達に関与することおよび微小管動態を調節していることを見出した。さらに最近、CRAMがセマフォリン応答を負に制御することを報告した。本研究では、CRAM、 Fes/Fps、そして新しく同定されたCRAM結合GTPase、 CRAGの役割について解析し、セマフォリンおよび神経回路形成の基本的情報伝達システムを明らかにすることを目的としている。これまでに、神経細胞にCRAMを強制発現させると、セマフォリンによる成長円錐の崩壊が完全に抑制され、CRAMがセマフォリンシグナル伝達を負に制御していることが示されている。このCRAMによるセマフォリンシグナル抑制の分子メカニズムを明らかにするためにCRAMを強制発現した神経細胞とコントロール細胞におけるセマフォリン応答の違いを免疫組織染色と免疫沈降法を用いて比較検討した。またセマフォリン受容体下流のシグナルとして、CRMPの挙動やリン酸化の有無や酸化還元酵素の動きについても阻害剤等を用いて検討した。さらに、RNAi法によりCRAMをノックダウンすることが及ぼす影響についても観察を行った。CRAGについては、そのマウス脳における局在や発現時期について、免疫組織染色法などを用いて解析した。加えて、結合分子の探索ならびに解析も現在すすめている。
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Research Products
(1 results)