2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路網形成過程における細胞内シゲナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
17300117
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
柳 茂 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 教授 (60252003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 敏史 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (50372313)
|
Keywords | 神経ガイダンス / セマホリン / CRAM / CRAG / 活性酸素種 / PML body / 転写制御 / ユビキチン化 |
Research Abstract |
RNAi法によるCRAMのノックダウンにより成長円錐の消失のみならず、微小管の断片化と消失現象が観察された。このことよりCRAMが微小管の保護と安定に関与していることが示唆されたので、この分子メカニズムの解析を行った。方法としてCRAMのノックダウンによる微小管のユビキチン・プロテアソーム系による分解反応について検討を行った。その結果、CRAMノックダウンにより微小管のユビキチン・プロテアソーム系による分解が亢進していることが明らかとなった。さらに酸化ストレスなどのストレスに対する微小管の安定性に関与しているかどうかについて細胞導入系を用いて解析を行った結果、CRAMが自ら酸化されることにより、微小管やアクチン骨格などの細胞骨格を保護していることが明らかとなった(論文投稿準備中)。 次にCRAM結合する新規GTPase、CRAGの機能解析について、セマフォリンシグナル伝達機構におけるCRAGの役割を検討した。CRAGは核移行シグナルをもち、予備的な実験において各種ストレス応答により核移行し、封入体を形成することが認められた。今回、マウス後根神経節細胞をセマフォリン刺激し、CRAGの核移行をするかどうかを検討した結果、CRAGの速やかな核移行と封入体形成が観察された。CRAGはセマフォリンにより発生した活性酸素種により反応して核移行することが明らかとなった。さらに、CRAGは核内のPML bodyと会合してPML bodyのリング状の形態変化を誘導し、スモ化からユビキチン化を誘導した。これらの結果からCRAGは活性酸素種のシグナルを核に伝達し、何らかの転写因子を制御している可能性が強く示唆された。
|
Research Products
(1 results)