2005 Fiscal Year Annual Research Report
オキシトシンによる扁桃体機能のモジュレーションと情動の制御
Project/Area Number |
17300127
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 秀樹 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富澤 一仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40274287)
松下 正之 (株)三菱化学生命科学研究所, 主任研究員 (30273965)
大守 伊織 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20403488)
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Keywords | オキシトシン / シナプス可塑性 / 記憶・学習 / マイクロアレイ / RGS2 / PKC |
Research Abstract |
本研究では、オキシトシンにより発現が促進され、シナプス可塑性を制御している分子の同定を試みた。初代培養海馬神経細胞においてオキシトシン添加により誘導される遺伝子ならびに授乳中マウスの海馬において発現が促進される遺伝子について、DNAマイクロアレイにて解析を行った。その結果、Rgs2(Regulator of G-protein signaling 2)とProtein Kinase C(PKC)ε遺伝子の発現が、in vitro、in vivoの両方で上昇していることを見いだした。 Rgs2はG蛋白質に連関した受容体のシグナル伝達を負に制御する因子であり、ドーパミン受容体によって発現が制御され、カルシウム振動を誘発する事が知られている。またRgs2のノックアウトマウスでは不安情動が昂進し、攻撃性が高まる事が報告されており、情動制御との密接な関係が示唆される。そこで私たちはラットに閉所ストレスを繰り返し与え、扁桃体でのRgs2の発現変化を観察した。その結果ストレス負荷後一日目からRgs2の発現が上昇し、一週間後に3倍近くになり以後徐々に低下することが分かった。 一方、PKCは海馬に多く発現しており、従来の研究により電気生理学的な超長期増強(L-LTP)あるいは長期記憶成立に重要な働きをしていることが示されている。PKCは、多くのアイソフォームが存在し、様々な脳機能の制御を司る。そこで、オキシトシンがPKCの各アイソフォーム発現にどのような影響を及ぼしているか検討した。その結果オキシトシンを灌流した海馬スライスおよび出産後授乳中マウスの海馬においてPKCεが特異的に発現増強していることが分かった。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Channel function is dissociated from the intrinsic kinase activity and autophosphorylation of TRPM7/ChaK1.2005
Author(s)
Matsushita M, Kozak JA, Shimizu Y, McLachlin DT, Yamaguchi H, Wei FY, Tomizawa K, Matsui H, Chait BT, Cahalan MD, Nairn AC.
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Journal Title
J.Biol.Chem. 280(21)
Pages: 20793-20803
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[Journal Article] Cdk5-dependent regulation of glucose-stimulated insulin secretion.2005
Author(s)
Wei FY, Nagashima K, Ohshima T, Saheki Y, Lu YF, Matsushita M, Yamada, Y, Mikoshiba K, Seino Y, Matsui H, Tomizawa K.
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Journal Title
Nat.Med. 11(10)
Pages: 1104-1108
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