2006 Fiscal Year Annual Research Report
血管異常収縮における細胞膜ドメインの役割とその構成蛋白の機能の解明
Project/Area Number |
17300128
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小林 誠 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80225515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 博子 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40359899)
川道 穂津美 山口大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80363042)
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Keywords | 血管 / 質量分析 / 膜ラフト / シグナル伝達 / 機能的プロテオミクス |
Research Abstract |
本年度は、質量分析、相互作用解析、遺伝子工学、蛋白工学を応用して、膜ラフトを反応の場として、血管異常収縮の原因となるシグナル分子を抽出することを目指し、以下の所見を得た。 1.ヒトおよびウサギの血管平滑筋では、血清コレステロール値に依存して、SPCは、Ca非依存性収縮を引き起こす事が分かった。さらに、以下の所見により、このコレステロール依存性の分子機構として、膜ラフトが関与している事が分かった。 1)βシクロデキストリンで膜コレステロールを選択的に除去すると、膜ラフトのマーカーであるカベオリンが膜から除去され、SPCによる血管異常収縮が抑制された。 2)SPCによって、FynとRhoキナーゼは細胞膜へトランスロケーションされたが、βシクロデキストリン処理によって、これらのシグナル分子の細胞膜への移動は阻止された。 3)βシクロデキストリン処理は、高K脱分極によるCa依存性の血管収縮や交感神経作動薬による血管収縮には、影響がなかった。 2.膜ラフトのマーカーであるカベオリンを指標に、密度勾配法によってラフト分画を精製する方法を初年度に成功し、血管平滑筋の細胞膜には2種類の密度をもつラフト分画がある事がわかったが、本年度は、その手法を応用して、Fynのラフト分画への移動の可能性について検討した。その結果、Fynは、SPC刺激によって、ラフト分画へ移動する事が分かった。 3.ラフトモデル膜として、初年度にコレステロールとスフィンゴミエリンが豊富なリポゾーム膜の作成に成功し、ビアコアを用いてSPCと種々の脂質モデル膜との結合を検討したが、本年度は、さらに、その手法を応用して解析したところ、EPAはラフトモデル膜に結合しやすい事がわかった。
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Research Products
(1 results)