2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光マウスを用いた着床のバイオイメージングと必須遺伝子の解析
Project/Area Number |
17300135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 勝 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30089875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20304066)
井上 直和 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50379096)
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Keywords | 精子 / 卵子 / 受精 / 蛍光たんぱく質 / バイオイメージング / 子宮 / 輸卵管 |
Research Abstract |
マウスに遺伝子操作を行い、精子の先体部分に緑色蛍光たんぱく質(GFP)を発現させ、精子の中片部に赤色蛍光たんぱく質(RFP)を発現させた。 この精子はなんら染色などの前処理を行うことなく精子の受精能の有無をGFPの蛍光で検出することができ、精子の運動をRFPの赤色たんぱく質の蛍光で検出することができた。 このようにして作製した遺伝子操作マウスの精子の受精能が、正常であるか否かを検討し、正常な受精能を有することを体外受精の系や、通常の受精で正常な産仔が得られることで確認することができた。 交尾後に輸卵管内へ精子が上昇する様子をさまざまな系で確認し、最も適したバイオイメージングの手法の開発を試みた。オリンパス社製の超細型レンズ付レーザー顕微鏡で、輸卵管内の精子を観察したり、子宮内にこのレンズを入れて着床卵の撮影に成功したりした。しかしながら、この顕微鏡はまだ開発段階であり、レーザー光による観察のみが可能であり、普通光で組織の様子を同時に観察することができず、この点を改良しなければ有効なツールになりえないことが分かった。また動物の臓器を生きたまま観察するために高倍率での観察では呼吸などの動きで視野が大きく動く点に関しても何らかの改善が必要であるとの結論に達した。 ついでこの遺伝子操作マウスを、不妊疾患モデルマウスであるカルメジンノックアウトマウスに交配させて、不妊マウスの精子がメスの子宮内でどのような挙動を取るのかを観察した。その結果精子は子宮内にはたくさん存在するが輸卵管内には入ってゆかず、子宮卵管接合部であるUTJが閉じており、そのあたりの壁面への接着がこの部位の通過には必要であるということを、バイオイメージング法を用いて明らかにすることができた。
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Research Products
(7 results)