2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光マウスを用いた着床のバイオイメージングと必須遺伝子の解析
Project/Area Number |
17300135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 勝 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30089875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20304066)
井上 直和 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (50379096)
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Keywords | GFP / 精子 / 卵子 / 受精 / 胎盤 / 遺伝子導入 / バイオイメージング |
Research Abstract |
マウスに遺伝子操作を行い、精子の先体部分に緑色蛍光たんぱく質(GFP)を発現させ、精子の中片部に赤色蛍光たんぱく質(RFP)を発現する精子を作製した。この精子を利用することにより、染色などの前処理を行うことなく精子の受精能の有無をGFPの蛍光で検出することができ、精子の運動をRFPの赤色たんぱく質の蛍光で検出した。このトランスジェニックマウスを別途作製した受精能に影響がでる遺伝子改変マウスと交配させることにより、各遺伝子改変マウス精子の輸卵管内への精子の移行状態についてバイオイメージングの手法で解析した。おどろいたことにこれまでに見つかっている透明帯への結合不全によると思われていた5つの独立した遺伝子改変動物のすべてについて、輸卵管への移行障害があることが判明した。 また、レンチウイルスを胚盤胞期の卵子に感染させることにより、胎児には全く遺伝子導入が起こらない条件で、胎盤にのみ高率で遺伝子導入が可能な系を開発した。この開発にあたりレンチ-GFPベクターによる胎児・胎盤の蛍光イメージング技術を開発しながら証明した。 この手法の開発により、なんらかの遺伝子欠損が原因で流産に至るEts2欠損マウスやMapk14欠損マウスのような場合であっても、着床前の胚盤胞期に、レンチウイルスでこれらの遺伝子を胎盤特異的に導入することによって、胎児に遺伝子操作が行われる危険性を排除しながら流産をレスキューすることが可能であることを実証した。将来はヒトの流産の予防にもつながる可能性が示された。
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Research Products
(5 results)