2007 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光マウスを用いた着床のバイオイメージングと必須遺伝子の解析
Project/Area Number |
17300135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 勝 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (30089875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (20304066)
井上 直和 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (50379096)
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Keywords | バイオイメージング / 胎盤特異的遺伝子導入 / レンチウィルス / 着床 / 合胞体栄養膜細胞 / 融合 / syncytin |
Research Abstract |
我々は胎児期からほとんどすべての細胞においてGFPを発現する発現するマウスを作製しており、実験動物としての有用性を様々な方面で提示してきた。通常の遺伝子操作動物を利用した研究には既存の遺伝子導入(TG)や遺伝子欠損(KO)法があるが、胎児に遺伝子を導入せず胎盤や脱落膜のみを遺伝子操作することができれば、着床のバイオイメージングとして様々な応用が期待されるため、今回研究を行った。 胎盤の機能を分子生物学的に解明する一環として我々は、レンチウイルス(LV)ベクターを胚盤胞に感染させることで栄養膜細胞特異的な遺伝子導入、ひいては胎盤特異的な遺伝子導入ができるのではないかと考え、着床のバイオイメージングを試みた。 レポーターとしてEGFPを発現するLVベクターを調製し、酸性タイロード処理により透明帯を除去した胚盤胞に感染させて偽妊娠マウスの子宮に移植した。胎生13.5日目に解剖して観察したところ、胎児への遺伝子導入は確認されず、胎盤のみに緑色蛍光が検出された。胎盤特異的な遺伝子導入はPCR解析によっても確認された。さらに、応用として胎盤異常のために胎児が死亡するようなKOマウスをこの遺伝子導入法によりレスキューしたところ産仔を得ることができた。 また、着床や胎盤形成に重要な合胞体栄養膜細胞の融合メカニズムを解明するために、syncytinに着目してさまざまな変異体を293T細胞に発現誘導させたところ融合を再現することができた。これらの結果から合胞体栄養膜細胞の融合にsyncytinが重要な役割を担っていること、およびsyncytinのもつfurin領域が融合に重要であることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)