2006 Fiscal Year Annual Research Report
医療・創薬を目指す循環系マルチスケール力学シミュレータの構築
Project/Area Number |
17300141
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
劉 浩 千葉大学, 工学部, 教授 (10342875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姫野 龍太郎 理化学研究所, 情報基盤センター, センター長 (60342838)
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Keywords | 生物・生体工学 / 流体工学 / 医療・福祉 / 生体生命情報学 / 医工学 |
Research Abstract |
平成18年度は循環器血管系の形態学モデル及び力学特性モデルのデータベース化とマルチスケール血行力学モデルの応用を最大な目標として研究を実施した. A.循環器血管系の形態学モデリング MRI画像からルーチン化されたシステムによる血管系トポロジーと断面形状の情報抽出を行い,初年度に作成した全身血管系モデルをプロトタイプモデルとしてマッピング手法を導入して動脈・静脈血管系の(患者個別モデルとして)精密な3次元形態学モデルを再構築すると同時に計算格子を作成する工程化とデータベース化を施した. B.循環器血管系の材料特性モデリング Aで構築された循環器動脈・静脈血管系データベースに,収集した血管壁の力学的特性データを付け加え,循環器血管系統合的力学データベースを作成した. C.循環器血管系の力学モデリング 循環器系の体循環・肺循環・微小循環に対して,心臓・動脈血管系・毛細血管系・静脈血管系の閉じた0次元血行力学モデル(集中係数モデル)を構築した.更に交感神経系及び副交感神経系を取り入れた複合的な自律神経系モデルを開発し,0次元モデルと神経系モデルを結合させて血行力学と調節機能の相互作用を評価できる計算力学モデルを開発した.本モデルは,バルサバマヌーバ間や立ち上がり等に関する基本的な調節機能メカニズムを精度よくシミュレートでき、その妥当性が検証された.さらに心臓血管系の全身循環機能と局所的な血行力学特性を総合的に解析できる,0次元モデルと3次元モデルを融合させたマルチスケール血行力学モデルを開発した.腹部大動脈・腎動脈分岐部の血流動態や動脈硬化との関連性,左心室の生理学的機能や拡張型心筋症の機能低下に関するマルチスケール血行力学的解析を行った結果,本総合的計算力学モデルの有効性が確認できた.
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Research Products
(6 results)