2006 Fiscal Year Annual Research Report
高速光コヒーレンストモグラフィによる生体表皮下組識の時間分解マイクロ機能解析
Project/Area Number |
17300151
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
春名 正光 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20029333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石蔵 文信 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50303970)
近江 雅人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60273645)
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Keywords | 光コヒーレンストモグラフィ / 高速OCT / 時間分解解析 / マイクロ機能解析 / 末梢血管 |
Research Abstract |
本年度は、イメージデータ取得時間<20msを目処に高速OCTの性能向上を図ると共に、ストレスや環境変化に反応する発汗ダイナミクスの解明、心拍に同期した末梢血管の時間分解解析を行った。これらの時間分解マイクロ機能解析結果をもとに血管の老化予測や皮膚疾患の新たな診断/スクリーニング法を検討する。 1.高速OCTの性能向上: PZT光ファイバ位相変調器を用いたタイムドメイン(TD)OCTと並行して、新たに光波長掃引レーザを光源とする周波数ドメイン(FD)OCTを試作した。光源の中心波長は1.3μm、波長掃引周波数は20kHzである。これは2000ライン/秒の走査能に相当し、OCTイメージデータ取得時間は20msを実現した。これを用いてヒト指汗腺の最大値投影(MIP)イメージを取得した。 2.汗腺の動態機能鯉析: 手掌部における緊張やストレスで誘起される精神性発汗現象をダイナミックOCTで観察した。具体的には、不快音や握力負荷を被験者に与え、OCTデータ取得時間1秒、フレーム間隔3.5秒で連続的に汗腺のOCTイメージを取得した。本実験により、精神性発汗現象を鮭明に捉えることができた。今後はこの結果をもとに、皮膚疾患と汗腺機能の関連および加齢による汗腺機能の低下などを明らかにする。 3.末梢血管系の時間分解機能解析: 波長1.3μm帯のダイナミックOCT装置を用いて、ヒト指細動脈の動態観察を行った。その結果、細動脈の収縮・拡張を可視化し、血管壁の盛りあがりの様子を鮮明に捉えることができた。さらに、下肢加温時における細動脈の拡張の様子を捉えることができ、体温調節に関わる皮膚交感神経活動をイメージングすることができた。今後はこの結果をもとに、血管の老化予測や動脈硬化の予備診断を検討する。
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Research Products
(7 results)