2005 Fiscal Year Annual Research Report
反復的マイクロバブル破壊刺激を利用した血管新生誘導による骨修復促進法の開発と評価
Project/Area Number |
17300152
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 健志 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (30249560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 正夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40163571)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
曽根 照喜 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (90179383)
上杉 健太朗 , 財団法人・高輝度光科学研究センター・放射光研究所実験部門, 研究員 (80344399)
内藤 尚 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (40392203)
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Keywords | 骨修復 / 放射光CT / 皮質骨脈管孔ネットワーク |
Research Abstract |
本研究の目的は、血管新生の誘導によって骨折治癒を促進する新しい治療法を提案することである。17年度はコントロールデータとして、ラット脛骨損傷部位における治癒過程をSPring-8放射光CTにより計測し、骨微細構造および骨ミネラル密度の同時検出を行った。 全身麻酔下のウィスターラットにおいて、脛骨骨幹部の一部を露出させ、マイクロドリルで穿孔を作製した。縫合後、外傷部はヨード系消毒液で感染を防ぎ、通常飼育した。1週、2週、および3週後に安楽死させ、骨損傷側の脛骨を摘出し、1週間アルコール固定した。次いで、骨損傷部を含む骨幹部(4mm長)を切り出し、CT計測用の試料とした。また、骨髄まで貫通しない欠損モデルも作製した。 放射光マイクロCTはSPring-8(BL20B2)にて行った。使用したX線エネルギーは適切な撮像コントラストが得られるよう20keVとした。試料を透過したX線は蛍光スクリーン、ビームモニタを介して、16ビット、5.83μmピクセルの画像データとして冷却CCDカメラで記録した。各試料について、0-180°、0.5°ごとに透過画像を撮影し、バックプロジェクションアルゴリズムによって再構成画像を得た。骨セグメンテーションは骨密度0.82g/cm^3に相当する線吸収係数値5.3cm^<-1>を閾値とした。 穿孔モデルでは、1週後に損傷部付近の骨髄内および皮質骨穿孔部に繊維状骨の形成が確認された。繊維状骨は、2週後には骨髄部ではほぼ消失して骨髄に置き換わり、皮質骨部のみに観察された。3週後には皮質骨部の繊維状骨はほぼ骨に置き換えられた。一方、骨髄部まで損傷が及ぼない欠損モデルでは1週後にも繊維状骨は形成されず、穿孔モデルに対して仮骨の石灰化が遅延した。
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Research Products
(2 results)