2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格の応力分布計測-共焦点レーザ顕微鏡と光ピンセットによるインビボ細胞診断
Project/Area Number |
17300154
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
湊 小太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00127143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 忠男 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (60304010)
佐藤 哲大 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90362839)
菅 幹生 千葉大学, 工学部, 助教授 (00294281)
中尾 恵 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (10362526)
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Keywords | 共焦点顕微鏡 / 光ピンセット / 生物・生体工学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究ではまずレーザ顕微鏡装置を用い、ナノスケールでの細胞骨格の蛍光断層像を取得し、それを立体再構成する。次に応力を調べるための負荷として、微小粒子操作を目的に開発した光ピンセットを用いて細胞表面に外力を与える。外力を与えた場合と、与えない場合の細胞骨格の立体構造をそれぞれ再構成し、外力と対応点の変位との関係から細胞の応力分布を計算する。これによってインビポで細胞骨格の形態や強度の変化を定量することができ、疾患の影響や細胞機能の解明に向け必要となる要素技術を開発中である。 1)基本システムの構築 まずレーザ顕微鏡を使用した、細胞骨格の蛍光像計測系を作成した。倒立型顕微鏡に対して、共焦点顕微鏡用と光ピンセット用の2系統のレーザを入射するようになっており、細胞骨格をリアルタイムで観察しながら、外力を加えた。断層画像は、piezo-actuatorにより対物レンズを上下に移動させることによって取得した。 2)培養細胞を用いた細胞骨格撮像プロトコールの構築 計測対象としてサンプルの培養細胞を用い、安定した蛍光像を得られるような撮像プロトコールを完成した。撮像プロトコール作成においては、試料の作成条件および効率的な蛍光染色の手法について検討した。 3)蛍光断層像からの細胞骨格抽出に向けた画像処理手法の開発 得られた蛍光断層像に対して、三次元立体再構成を行うために必要な画像処理技術を開発した。アクチンフィラメントなどの繊維構造に代表される、特徴的な細胞骨格固有の蛍光断層像を共焦点顕微鏡で撮像する際には、断層面に含まれる細胞骨格からの蛍光以外にも、それに連なる骨格部位からの蛍光が重畳されて観察されてしまう問題点がある。よって、断層間に連続する細胞骨格構造を選択的に抽出できるような、画像処理アルゴリズムを考案し、撮影した断層像に適用した。
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Research Products
(4 results)