2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格の応力分布計測-共焦点レーザ顕微鏡と光ピンセットによるインビボ細胞診断
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17300154
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
湊 小太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00127143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 忠男 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (60304010)
佐藤 哲大 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90362839)
菅 幹生 千葉大学, メディカルシステム工学科, 助教授 (00294281)
中尾 恵 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (10362526)
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Keywords | 共焦点顕微鏡 / 光ピンセット / 生物・生体工学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本年は、ナノスケールでの細胞骨格の蛍光断層像を正確かつ精密に立体再構成できる技術を確立し、応力を調べるための負荷として利用する微粒子を光ピンセットで操作する系の改良そしてダブルビームによる2点把持の実現、さらに細胞骨格モデルを用いたモデリング手法の検討を行った。 1)ナノスケールでの細胞骨格再構成: 昨年度開発した新手法であるエバネッセント顕微鏡による細胞骨格の三次元形状計測法について、装置の自動化を行い、モーター駆動によって自動的に三次元再構成に必要なデータを取得できるようにした。この改良により細胞中の分子分布の時間変化を経時的に計測することが可能になった。 2)光ピンセットの改良およびダブルビームによる2点把持の実現: 光ピンセット光学系で光軸方向のトラップ力が他の2方向に比べて弱いため、光軸方向に移動させた場合にトラップから外れやすい。また細胞に接触させた際の変位がある値を超えると突然落ちるなどの実際上の問題があったため、光ピンセット光学系を改良することでこれらを解決した。そして接着系ではない細胞や細胞骨格の特定部分を断層撮影するために、2本目のレーザ光を入射して1本のレーザビームで捕捉しながら、もう一方で外力を与えられるようにシステムを拡張した。これによって、これまで1方向しか与えられなかった外力を、任意方向で与えられるように改良できるようになった。また細胞への効率的な力印加を目的としてナノパーティクルを用いたマニピュレーション実験を行った。実験では、磁性を持つナノパーティクルであるEuS粒子を用いて、単一のEuS粒子を3次元捕捉して操作することに世界で初めて成功した。現時点では平均粒径が100nm程度であるが、屈折率が大きいため通常の誘電体粒子よりも散乱効率を大きくできるので、より小さな粒子で3次元捕捉が可能と予想された。 3)細胞骨格モデルを用いたモデリング: 細部骨格の応力分布は、その内部構造によって発生すると考えられるので、内部構造を推定し、モデリングする手法を開発した。応力のメカニズムを考察して、予想した構造によって実験での反力が発生することを有限要素法で構浩解析を試みた。
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Research Products
(6 results)