2006 Fiscal Year Annual Research Report
in-vivo実質臓器可視化システムによる腎微小循環調節機能の解析
Project/Area Number |
17300164
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
仲本 博 川崎医科大学, 医学部, 助手 (10299183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
梶谷 文彦 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (70029114)
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Keywords | 微小循環 / 腎糸球体 / 糸球体濾過量 / 糖尿病 / 過濾過 / 蛍光色素法 |
Research Abstract |
本研究では、生理的条件下で腎微小循環の調節機能を解析することを目的とした。糸球体濾過の変化の解析には、アデノシンでメザンギウム細胞を収縮させる方法を予定していたが、蛍光色素を用いた糸球体の描出は、思いの他困難であり、時間を要することから、糸球体濾過量が最初から異なる動物モデルとして、糖尿病を選んだ。糖尿病早期にはhyperfiltrationという濾過が亢進した状態に陥ることが知られているからである。蛍光色素を用いての生理的条件下での観察は可能となった。呼吸運動を完全に止めることは、死を意味するが、目視観察には影響がない十ミクロン程度の運動に抑えることは可能となった。これにより、腎糸球体の3次元表示による解析の道が開けた。 正常ラットの腎糸球体においては、輸入細動脈の径は輸出細動脈の径よりも常に太く、STZという抗生物質で惹起した早期の1型糖尿病ラットでは、双方とも正常ラットより太かった。単位腎臓重あたりの血流量は、糖尿病ラットの方が多かった。これより、過濾過状態であることが分かる。ここへ、FITCで標識した500kのデキストラン分子とローダミンで標識した20kのデキストラン分子を静脈内に投与すると、500kのデキストラン分子は糸球体で濾過されるほど小さくはなく血管内に留まるが、20kのデキストラン分子は糸球体で濾過されてしまう。大体デキストラン投与後1分で、20kのデキストラン分子が尿細管に集まる様子を可視化することが出来た。また、この時の蛍光色素の輝度は、過濾過状態の糖尿病ラットで高く、正常ラットでは低かった。このように、糸球体濾過の変化を可視化して解析出来るようにすることが可能となった。
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