2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ気泡と超音波を利用した高効率型分子導入法の開発とがん遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
17300168
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小玉 哲也 東北大学, 先進医工学研究機構, 助教授 (40271986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
藤川 重雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70111937)
冨田 幸雄 北海道教育大学, 教育学部函館校, 教授 (00006199)
鈴木 麻衣子 東北大学, 先進医工学研究機構, 助手 (70420049)
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Keywords | マイクロ気泡 / 遺伝子治療 / がん / 超音波 / 分子導入 |
Research Abstract |
超音波とマイクロ気泡を使った分子導入法は、非侵襲的に標的組織に遺伝子などの高分子を導入することが可能で、免疫原性や細胞毒性はなく、がん、心臓血管疾患、炎症性疾患の治療への応用が期待される。本研究は、マイクロ気泡の崩壊で発生するキャビテーション気泡の運動と超音波特性との関係を明らかにして、「分子導入効率の高い超音波発生システム」を開発し、「がん遺伝子治療」への応用を検討することを目的とする。 本年度はレポーター遺伝子を使用しin vitroおよびin vivoにおいて分子導入に関わる物理条件の最適化を試みた。遺伝子発現特性は超音波の圧力、Duty比、パルス数、圧力の空間分布、マイクロ気泡の種類に依存し、これらのパラメーラを最適化することで分子導入効率が改善されることが示された。分子導入の機序にはキャビテーション気泡が発生する衝撃波が関与すると仮説を立て、超音波場でのキャビテーション気泡の理論解析から、細胞膜損傷を誘起する衝撃波の伝播距離を明らかにした。分子レベルでの衝撃波と細胞膜との干渉を明らかにするために分子動力学シミュレーションをおこなった。衝撃波の干渉で脂質二重膜の構造の変化が誘起され、この変化に誘導されて外来分子が細胞内に導入されることが示された。一方、実験的な考察をもとに超音波プローブを試作し、in vitroおよびin vivoでレポーター遺伝子の導入をおこない、この導入の結果を市販のプローブとで得られる結果と比較した。試作のプローブの遺伝子導入効率は市販のものに比して高い導入効率が得られることが示され、超音波圧力の空間分布が分子導入の効率向上の重要な因子であることが示された。
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Research Products
(11 results)