2007 Fiscal Year Annual Research Report
陽子線励起X線を用いた造影剤注入量と被ばく線量の少ない透視撮影技術の開発
Project/Area Number |
17300170
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小栗 慶之 Tokyo Institute of Technology, 原子炉工学研究所, 准教授 (90160829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 純 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教 (90302984)
小川 雅生 駒澤大学, 医療健康科学部, 教授 (60016863)
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Keywords | 医療・福祉 / X線診断 / 特性X線 / 陽子線励起X線放出 / 静電加速器 / 画像分解能 / マイクロビーム / ガラスキャピラリー |
Research Abstract |
昨年度までの低造影剤濃度・低被ばく線量高コントラスト透過撮影実験の成功を受け,今年度は入射陽子ビームを10ミクロン程度に絞って微小なX線源を実現し,画像の空間分解能を向上させることを試みた.小型,安価な装置で直径10ミクロン程度の陽子ビームを得るために,ガラスマイクロキャピラリーにビームを入射し,細く絞った出口からビームを取り出す方法を採用した.出口直後に金属薄膜ターゲットを置き,裏面に放出されるX線を用いて小動物や金属細線標準試料等の透過拡大撮影実験を行った.5MeVを越える高エネルギー陽子はキャピラリーの側壁を貫通してしまうため,昨年度に成功した7MeV陽子を用いたヨウ素造影剤の撮影はできなかった.そこで模擬実験として,まず2MeV陽子ビームの照射により銅Cuターゲットから放出される8.0keVの低エネルギーX線を用いた実験を行った.キャピラリー入口に陽子ビームを集束させ,ビーム電流とX線収量の最適化を行った.得られた画像を解析したところ,キャピラリー出口径と同程度の空間分解能で拡大撮影が可能であることが分った.次にカドミウムCdターゲットを照射して23.1keVのX線を発生し,ルテニウムRu(K吸収端エネルギー22.lkeV)造影剤を注入したアクリルファントムの撮影を試みた.しかしX線収量が少なく,また造影剤溶液を含む厚いファントムの透過率も低かったため,造影剤撮影と被ばく線量の定量的評価には至らなかった.予定通り7MeV陽子とLaターゲットを用いてヨウ素造影剤の高分解能画像を得るためには,陽子ビーム強度を増大させるだけでなく,壁の厚いキャピラリーの製作とキャピラリーを冷却する技術の開発が不可欠であることが分った.
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Research Products
(9 results)