2005 Fiscal Year Annual Research Report
呼吸リハビリテーション手技の基礎的検証とその位置づけの確立
Project/Area Number |
17300180
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒澤 一 東北大学, 保健管理センター, 助教授 (60333788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上月 正博 東北大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70234698)
小川 浩正 東北大学, 保健管理センター, 助教授 (90361162)
色川 俊也 東北大学, 保健管理センター, 助手 (70375179)
飛田 渉 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (10142944)
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Keywords | 呼吸理学療法 / 口すぼめ呼吸 / IOS / オシレーション法 / 気道弾性特性 / α波 |
Research Abstract |
広く普及している口すぼめ呼吸、腹式呼吸などの基本的呼吸訓練、あるいは、わが国の理学療法士を中心に行われている用手的な呼吸介助や胸郭へのアプローチなどの基本的な手技の科学的根拠となる基礎的かつ客観的な研究成果を得ることを企図した。インパルスオシレーションシステム(IOS、新規購入)によってCOPD患者の気道系の弾性特性を検討した。これまでのIOSを用いたデータは、吸気相と呼気相はすべて平均された値であったのに対し、新しく呼気相と吸気相を分けて解析する方法を開発し、COPDでは呼気時に粘性抵抗成分が上昇しリアクタンス成分がマイナス側により動くことが確認できた(米国呼吸器学会で発表予定、投稿準備中)。さらに、この方法を利用し、口すぼめの呼吸抵抗、および気道系の弾性特性などについて検討を加える予定である。また、インパルスが出た呼吸相をソーティングすることにより、それらのデータのみを選別してフーリエ変換するため、外部のコンピューター(新規購入)で解析を行う方法を開発した。呼吸の1サイクルを8分割し、各周波数での抵抗成分とリアクタンス成分について非常に興味深い知見を得ている(投稿準備中)。口すぼめ呼吸の精神面への効果については、自覚症状を定時的にモニターしながら、口すぼめ呼吸を15分間にわたって続けてもらい、その間の脳波を周波数解析した。α波は簡単に見分けることができたが、口すぼめ呼吸によって眠気が出て覚醒度が下がる問題点が出た。実験方法を練り直して、再度トライしたい。尚、α波の変動が口すぼめ呼吸やその他の呼吸刺激で起こることが確認されたため、確実な再現方法などについてその方法を検討する予定である。口すぼめ時の鼻咽頭閉鎖機序については、健常者において、実際に口すぼめ呼吸で閉鎖が起きるのかを内視鏡(現有設備)で実際に観察して確かめた(投稿中)。胸郭可動域の改善を目指す手技の効果の時間経過については、用手的な理学療法の効果の持続が数時間程度であることが確かめられた。呼吸筋酸素消費量は呼吸介助後に減少することがわかったため(米国呼吸器学会発表予定、投稿準備中)、これらの効果についても持続時間を調べている。
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Research Products
(7 results)