2005 Fiscal Year Annual Research Report
発話運動シミュレータを用いた発話障害予測および発話訓練支援システムの研究
Project/Area Number |
17300182
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
党 建武 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (80334796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 清志 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 人間情報科学研究所・生体イメージング研究室, 室長 (90395088)
赤木 正人 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (20242571)
鈴木 規子 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10112731)
LU Xugang 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (20362022)
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Keywords | 発話運動 / 舌部分切除 / 発話障害 / 発話訓練 / MRI計測 / 生理学的モデル / 発話状態の推定 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究では,舌手術による発話障害を予測してその最小化を図ること及び効率的な発話訓練の補助手段を開発することの両面から疾患による発話障害の解決策を求めるために,発話運動シミュレータを用いた発話障害予測および発話訓練支援システムを構築する.本年度では 1.Tagged-MRIによる舌の大変形の計測と筋の収縮パターンの推定 ATR国際電気通信基礎技術研究所(京都)のMRI装置またはアメリカマリーランド大学歯科研究科のMRI装置を使用した.まず健常者3名を対象にTagged-MRIを用いて舌の大変形を計測した.発話運動と非対称運動における舌内部の変形を計測した.Tagged-MRIを用いて有限要素法により舌変形と筋の収縮パターンの推定方法を検討した. 2.三次元生理学的運動シミュレータの構築 手術による発話機能の障害を模擬するため,研究代表らの構築した発話機構モデルを基に現有部分三次元モデルを完全三次元モデルに拡張した.解剖的データに従って調音筋の構造を最適化した. 3.部分切除による舌変形のモデル再現と非対称メッシュ構造体の計算 舌の部分切除において切除部位をマウス操作により三次元生理学的運動シミュレータの形状に反映させ,非対称となった残存舌の運動の計算を実現することができた. 4.発話状態の推定における多意性問題の解決に関する研究 三次元生理学的運動シミュレータを用いて調音筋空間を遍歴することにより60000セットの調音・音響データを獲得した.この研究結果を音声波から発話状態の逆推定に取り入れるため,混合ガウス分布モデルを用いて母音の調音分布をモデル化した.それに関連して話者の生理学的特徴を用いて話者の識別を行った. 研究成果の発表について,電子情報通信学会論文誌(英文)で1件(条件付採択),国際学会での発表は3件(その中,査読付国際学会では1件),国内学会での発表は6件があった.
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