2005 Fiscal Year Annual Research Report
ALS患者のための視線検出機能付HMDの開発と双方向コミュニケーションの実現
Project/Area Number |
17300183
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
海老澤 嘉伸 静岡大学, 工学部, 教授 (40213574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松丸 隆文 静岡大学, 工学部, 助教授 (10313933)
伊藤 友孝 静岡大学, 工学部, 講師 (00283341)
山下 淳 静岡大学, 工学部, 助手 (30334957)
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Keywords | 視線検出 / ヘッドマウントディスプレイ / 福祉機器 / 遠隔操作 / 身代わりロボット / 意思伝達 / ALS患者 / ポインティングデバイス |
Research Abstract |
本研究では、ALS患者(筋萎縮性硬化症)の残存機能である視線を利用して文字入力やメニュー選択が行えるようにし、楽に、周囲の人へ意思伝達を行ったり、身代わりロボットの遠隔操作を行えるようにすることなどを目的としている。 17年度において、その基本装置となる視線検出機能付きヘッドマウントディスプレイ(HMD)の試作を行った。本HMDの特徴は、小型・軽量で眼鏡フレームを利用して、片目に取り付ける形態のものである。さらに、HMD本体と眼との相対位置がずれても、HMDの表示画像の見ている位置が正確にわかることを特徴とする。HMDには映像としてパソコンから画像を入力しLCDで映像を表示する。一方で、LEDを用いて目に対して近赤外線を照射し、眼の画像をCCDで捉え、瞳孔像の中心とLED光源の角膜反射像の中心を画像処理により実時間で検出し、それらの相対位置関係から視線方向を検出する方法に基づく。実際に試作を行ったが、まだ、ゴーストが映ったりしており、完成には至っていないが、問題点が明確になり、更なる小型化を含め、今後の方針が明確になった。 また、遠隔操作型身代わりロボットの移動ベース部分の試作と遠隔制御手法および通信手法の検討を行った。今年度は、試作中の視線入力デバイスの代替として、マウスもしくはジョイスティックからの指令を受け取り、操作者の意思で自由に操作可能なシステムを構築した。ロボット本体に制御用コンピュータとカメラ等を搭載し、無線LANで通信することでロボットの自立化を図り、電源以外はケーブルを引きまわすことなく自由な移動操作を可能にした。 また、視線でのロボットへの指令方式についても検討を行い、ステレオカメラからの映像を視線指示することで、三角測量の原理を用いて三次元位置を指令できるシステムを構築し、来年度のシステム統合に向けた準備を行った。
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Research Products
(13 results)