2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳梗塞後の運動療法による麻痺回復に関わる脳内物質の研究
Project/Area Number |
17300186
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川平 和美 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 輝 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (40347109)
池田 聡 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00343369)
大渡 昭彦 鹿児島大学, 医学部, 助手 (30295282)
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Keywords | 脳梗塞 / ラット / 運動療法 / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
1.ラット脳梗塞モデルの作製 ラットを深麻酔下に脳定位固定装置に固定し頭蓋骨を露出。感覚運動野領域上に560nmの光線を照射しながら、光感受性物質ローズベンガルを静注することにより、脳梗塞を作製した。麻痺の評価には棒上歩行時の後肢の動きから1〜7までの7段階で評価するFeeneyのscaleを用いた。 2.両側脳梗塞モデルの麻痺の回復過程の評価 脳梗塞後の麻痺回復に関わる対側皮質の関与を明らかにするために、1回目の脳梗塞作製後2週間後に反対側にも脳梗塞を作製したときの麻痺回復の評価を行なった。その結果、一側の脳梗塞では2週間で正常に近い状態まで回復したが、両側梗塞では麻痺回復が阻害され麻痺のスケールは2週間後でも3.5にとどまり、麻痺回復における対側皮質の重要性が示唆された。 3.麻痺回復に関与する因子の検討 前年度の実験において、脳梗塞後の訓練が麻痺をより早期に改善させるとの結果を得た。そこでそのメカニズムをより詳細に検討するために、自然経過群と訓練群におけるGDNF、Caspase-3の発現の違いを免疫組織学的に検討を行なっている。 4.マイクロダイアリシス法による脳内神経伝達物質の測定 ラットを深麻酔下に脳定位固定装置に固定し頭蓋骨を露出。頭蓋骨に小孔を作製し海馬領域にダミーカニューレを挿入・固定した。翌日ダミーカニューレを透析プローブに入れ替え、マイクロダイアリシスサンプリングシステムに接続しラットをアクリルケース中に入れ自由運動下で透析液を回収し、微量生体試料分析システムHTEC 500にて透析液中のセロトニンとドーパミンの濃度を5分間隔で測定し、測定が可能であることを確認した。 現在、大脳皮質や海馬におけるトレッドミル走行などの運動刺激によるセロトニンとドーパミンの変化を調べる実験を進行中である。
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Research Products
(1 results)