2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者・障害者を考慮した聴覚情報環境の評価方法と情報提示手法の開発
Project/Area Number |
17300191
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐藤 洋 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 研究員 (10260423)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉片 憲治 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (90356931)
森本 政之 神戸大学, 工学部, 教授 (10110800)
佐藤 逸人 神戸大学, 工学部, 助手 (30346233)
|
Keywords | 高齢者 / 障害者 / 聴覚情報 / 音声情報 / 公共空間 / ユニバーサルデザイン / 騒音 / 残響 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下の通り. 1.空間の騒音と反射音の測定・解析 不特定多数の利用者が想定されかつ相当数の高齢者の利用が見込まれる代表的な公共空間として駅舎をとりあげ,騒音並びに反射音特性の測定を行った.その結果,騒音レベルは60-80dB,残響時間は2秒程度であり,聴覚情報を有効に活用する工夫が必要であることがわかった.空間的な音響状態を把握するためのマルチマイクロホン集音については開発途上であり,ダミーヘッドを用いたバイノーラル測定を行った. 2.幾何音響プログラム及び実音場データベースを用いた実験音場の作成 幾何音響プログラムにより教室をモデルとした検討を行い,吸音材の効果について検討を行った.また実音場データベースの分析を行い,音声聴取実験の実験条件を設定した. 3.音声聴取実験 本年度は騒音の存在する音場において単語了解度試験及び聴き取りにくさ測定,並びに連続単語を聴取させたときの再生試験について若齢者と高齢者を被験者として用いて実験を行った.単語了解度は聴力とSN比の関数として表現できること,聴き取りにくさは平均聴力レベル30dBHL以上の聴取者は常に聴き取りにくいと感じる度合いが高いこと,短期記憶には加齢効果によるパフォーマンスの低下があることを示した.現在は騒音と反射音のある音場において連続単語の提示間隔,話速,提示個数をパラメータとして実験を開始している. 4.サイン音聴取実験及び音の提示方向と反射音及び背景騒音 盲導鈴による安全で円滑な移動支援を確実にするために,現在使われている盲導鈴について定位実験を行い,その有効性について基礎的な検討を行った.盲導鈴の全体が聞こえる音圧レベルでも前後誤判定が見られること,暗騒音レベルが高い場合,前後誤判定率が増すことを示した.
|