2006 Fiscal Year Annual Research Report
表面筋電図逆解析を中心とした神経筋機能形態の加齢変化に関する新たな分析手法の開発
Project/Area Number |
17300197
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
齋藤 健治 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70336105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 正 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (00358003)
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Keywords | 表面筋電図 / 急激な筋収縮 / 運動単位 / 同期 / 活動参加 / シミュレーション / 歩行 / 運動学 |
Research Abstract |
18年度の主な実績は、神経筋機能評価手法の開発の一端としての、急激な収縮時の表面筋電図(sEMG)解析と歩行時の運動学解析であった。 急激な筋収縮時には、発揮力の割に大きなsEMG振幅が記録される。そこで、上腕二頭筋を被験筋として、肘関節の急激な等尺性屈曲運動時のsEMGを記録した。比較対象として、等尺性最大随意収縮(MVC)時のsEMGも記録した。急激な筋収縮は収縮速度が大きいため、MVCに比べ発揮力は小さくなる。しかし、sEMG振幅はMVC比で約40%大きかった。発揮力が小さいのは、活動参加する運動単位(MU)数が少ないためであり、sEMG振幅が大きいのは、活動参加数が少なくても、活動MUの位置が筋表層に多い、あるいはMUのdouble dischargeと呼ばれる発火や同期などが原因と考えられる。一方、両者の発揮力の差が大きいにも関わらず、筋線維伝導速度に差がなかった。筋線維伝導速度は力に比例することから、急激な筋収縮時に活動参加するMUは、Fastタイプに偏っていると考えられる。しかし、急激な収縮においてもサイズの原理は守られていると言われるため、シミュレーションによる検討も行っている最中である。 また、歩行時の運動学情報を分析することで、神経筋系の機能評価を行う可能性を模索するために、センサによる歩行計測を行った。45×65×25mmのプラスチックケースに、三軸まわりの角速度が計測できるように小型ジャイロセンサ3個配置した計測器を、それぞれ大腿側面と下腿側面に貼付して計測を行った。運動域が最も大きい矢状面内の運動において、角速度が大きく相対的なばらつきも小さかった。前頭面内、水平面内の運動は、大腿や下腿というセグメントの関節運動というより、身体全体の回転運動の反映であると考えられ、この意味において、歩行時の運動バランスを知る手がかりになると考えられる。
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Research Products
(4 results)