2005 Fiscal Year Annual Research Report
トレーニングラットの筋細胞収縮中におけるCRUs分子構造変化のバイオイメージング
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17300210
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
竹倉 宏明 鹿屋体育大学, 体育学部, 教授 (00206963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 規克 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (60152659)
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Keywords | 骨格筋 / 筋細胞内膜系 / 横行小管 / 筋小胞体 / 興奮収縮連関 / 電子顕微鏡 / Ca^<2+>チャンネル / Ca^<2+> Release Units |
Research Abstract |
骨格筋の興奮収縮連関は、興奮性の刺激を筋細胞内部へと伝達する横行小管(T管)系及び筋小胞体(SR)と呼ばれる2種類の筋細胞内膜系によって、時・空間的に極めて緻密に制御されている生理機構である。T管は筋細胞内の決まった位置でSR終末槽(TC)との間に内膜複合体のトライアドを形成している。トライアドには、T管膜側に局在して電位センサーとして機能しているdihydropyridineレセプターとTC側に局在してカルシウム(Ca^<2+>)放出チャンネルとして機能しているryanodineレセプターと呼ばれる2種類のCa^<2+>チャンネルが存在する。我々は、2種類の筋細胞内膜系とCa^<2+>チャンネルを興奮収縮連関の機能を直接制御する機能的複合体と考えてCa^<2+> Relesae Units (CRUs)と命名し、その形態的、機能的特性に及ぼす発育・加齢、運動や不活動の影響を多角的に検討した。骨格筋の収縮張力は、下り走などの伸張性収縮を繰り返すことによって収縮直後から一過性の低下を示す。この期間に骨格筋細胞の微細構造には、Z線や収縮蛋白質の部分的崩壊が観察される。運動終了直後から数日間に観察される張力低下の主たる要因は、興奮収縮連関の機能不全であることが報告されている。収縮張力が低下している時期には、CRUsの顕著な構造破壊が観察されることから、興奮収縮連関の機能不全はCRUsの部分的な構造破壊によって引き起こされる可能性が示唆された。また、収縮張力が回復する時期には、pentad(2本のT管と3本のTC)やheptad(3本のT管と4本のTC)といった特殊な内膜複合体が数多く出現する。これらの内膜複合体は収縮張力の回復と共に漸次消失し、運動終了3週間後にほぼ完全にトライアドに再構築された。これらの内膜複合体のトライアドへの再構築は、CRUsの構造特性の可逆的柔軟性を示している。
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Research Products
(3 results)