2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17300212
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
彼末 一之 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (50127213)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷澤 健一 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90409714)
村岡 哲郎 生命医療工学研究所, 助手 (30398929)
依田 珠江 早稲田大学, 人間科学学術院, 助手 (40348818)
|
Keywords | 野球 / バッティング / トレーニング / コーチング / 正確性 |
Research Abstract |
野球のバッティングでは、再現性よく正確にボールをとらえることが重要である。野球のバッティングの再現性、バットの軌道に注目して行われた研究はティーバッティングの再現性を調べた前田(2001)と投球をシミュレートした実験を行ったGray(2002)の2つ以外はほとんど行われておらず、インパクト位置の再現性を詳細に理解するまでに至ってない。そこで本研究では、バッティングの「空間的正確性」,特に「再現性」に着目してバッティングを解析することを主たる目的とした。本研究では、特にインパクト時のバットの上下方向の位置に注目して再現性を分析した。大学野球部所属の野球部員5名の「現役選手群」と、野球経験はあるが現在は本格的な練習を行っていない人5名の「経験者群」の計10名を被験者とした。被験者はピッチングマシンから放たれる115km/h程度の直球をセンター方向にライナーを狙うバッティングを50試行行った。打撃の分析には、ハイスピードカメラ2台を同期して使用し、毎秒250フレームで撮影した。撮影した画像から、DLT法により三次元化した座標を算出し、上下・左右方向の打球角度を求めた。その平均値と標準偏差を現役選手群、経験者群で比較した。再現性の指標としてそれぞれ角度の標準偏差を算出した。上下方向の打球角度は現役選手群で平均24.7deg、経験者群で39.2degであり両群間に有意差が認められた(P<0.05)。また、打球のばらつきを表す標準偏差の両群の平均値は、現役選手群28.0deg、経験者群45.7degで有意差が認められた(P<0.01)。ある程度の野球経験があればバットスイング動作の再現性は確立されるが,経験者群と現役選手群の間に、投球の位置を判断して、バット位置を調節する空間的な正確性には差があることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)