Research Abstract |
1.本年度は,小学生を対象として,(1)下肢の静的及び動的アライメントの評価,(2)足部調査,について実施した。 2.結果の概要 弘前市内の小学校1施設に協力をいただき,1年生から6年生までの合計219名の両足438肢を対象として,下肢の静的及び動的アライメントを評価するとともに,足部調査を行った。 (1)小学生における下肢の静的アライメント(SA)と動的アライメント(DA)について SA評価(自然立位)では,Squinting patella(SP)は36.4%,Frog-eye patella(FP)は13.6%で,女子にSPが多く男子にFPが多かった。O脚11.4%,X脚16,7%で,SPにO脚が多くFPにX脚が多かった。DA評価は,膝伸展片脚立位時のASIS-膝蓋骨中央-内果中央のなす角度を基準値として,膝屈曲30°片脚立位時の基準値からの角度差でKnee-inの程度を示す(プラスはknee-in,マイナスはknee-out)と,全体で1.27°(男子0.6°,女子1.9°)で女子が有意にKnee-in傾向が強かった。SP群とFP群のDAの角度差は,SP群2.1°,FP群-1.0°であり,SP群にはO脚が多くKnee-in傾向,FP群にはX脚が多くknee-out傾向があることがわかった。また,SP群の方がLeg heel angleが大きく足部はより回内傾向であった。 (2)小学生の足部調査について 足長の成長は,1年生から5年生までが年間1〜1.4cmで,4年生から5年生にかけて最大,5年生から6年生にかけて最小であった。足幅は,各学年とも年間でおよそ0.2〜0.5cmの成長であり,学年進行につれて細長の足になっていく傾向がみられた。アーチ高率(舟状骨高/足長×100%)は,各学年で大きな差はなく,11〜12%であり,アーチ形成率が遅いことがわかった。扁平型のfootprintを示す児童の割合は,1〜2年生で28〜29%と多く,特に1年生の男子では44.4%で最も多かった。外反母趾は学年進行に伴って確実に増加し,平均値が最も大きいのは5年生女子の14.3°で,13°以上の児童は46.4%を占めた。男子では6年生の53.6%が13°以上であった。内反小趾は,10°以上が5年生で50%,6年生で70%で,平均値では6年生が最も大きかった。浮き指は全体の45%の児童にみられた。
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