2005 Fiscal Year Annual Research Report
介護予防と生活習慣病予防を両立させる中高齢者のトレーニング指針の作成
Project/Area Number |
17300226
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
宮地 元彦 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康増進研究部, 室長 (60229870)
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Keywords | 動脈硬化度 / 介護予防 / 生活習慣病予防 / コンバインドトレーニング |
Research Abstract |
介護予防のための筋力向上を目的とした筋力トレーニングを中高年者が行う際の危険性が従来から指摘されていることに加えて、生活習慣病危険因子に対する影響は十分に明らかにされていない。我々のごく最近の研究成果から、レジスタンストレーニングが動脈硬化度を増加させることが明らかとなった。そこで、動脈硬化度を増加させないレジスタンストレーニングの実施方法を検討するために介入研究を行った。39名の健康な男性被験者を対照群、中強度筋力トレーニング群、有酸素運動と筋力トレーニングを行なうコンバインドトレーニング群の3群に無作為に分けた。中強度群は50%1RM強度の6種目の筋トレを週3回、4ヶ月実施し、コンバインド群は80%1RM強度の筋力トレーニングと60%HRmax強度の有酸素トレーニングを週3回、4ヶ月行なったトレーニング期間終了後、4ヶ月の脱トレ期間を置いた。対照群は8ヶ月間普段通りの生活を送った。全ての被験者の頸動脈と大腿動脈の硬化度を介入前、4ヶ月目、8ヶ月目に測定した。中強度群では4日月目で有意に頸動脈硬化度が増加した。一方、コンバインド群では、4ヶ月で低下する傾向が見られた。両群とも8ヶ月目には介入前の値に戻った。対照群ではこのような変化は見られなかった。大腿動脈硬化度は3群で有意に変化しなかった。以上の結果から、筋トレと有酸素制トレーニングを同時に行なうコンバインドトレーニングは、筋トレだけを行なうような頸動脈硬化度の増加を予防することに加えて、筋力と持久力のい両方を高めることができるため、介護と生活習慣病の予防を両立することができるトレーニング方法の一つであることが示唆された。
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Research Products
(3 results)