2005 Fiscal Year Annual Research Report
αTTP遺伝子欠損時のトコフェロール代謝に及ぼすゴマ摂取の影響
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17300240
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
山下 かなへ 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (40080113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (60367638)
阪野 朋子 (遠山 朋子) 金城学院大学, 生活環境学部, 助手 (00387599)
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Keywords | α-Toc / α-TTP / α-TTP KOマウス / ゴマ / ゴマリグナン / 脳のα-Toc濃度 / α-TTP KOマウスの繁殖 / 過酸化脂質 |
Research Abstract |
8種類のビタミンE同属体の中でα-トコフェロール(α-Toc)が際立って高いビタミンE活性を示すのは、肝臓に存在するα-Toc輸送たんぱく質(α-TTP)がα-Tocと特異的に結合してVLDLに運び全身に輸送するからである。ビタミンE同属体の生理活性を決める鍵となるα-TTP遺伝子を次損させたマウスは通常のビタミンE量では繁殖しないが大量のα-Tocを与えると、子孫を残すことができる。ゴマ及びゴマリグナンは生体内ビタミンE濃度を上昇させる。今回、このマウスの繁殖およびビタミンE濃度に及ぼすゴマ摂取の影響を調べた。 (実験方法)実験動物として6週齢のα-TTPノックアウトマウスを自家繁殖により用いた。試験飼料群として、VE欠乏飼料群(VE欠群),50mg/kgα-Toc添加飼料群(50□群),50mg/kgα-Toc+12%ゴマ添加飼料群(50α+ゴマ群),1600mg/kgα-Toc添加飼料群(1600α群),に分けて11週間飼育し、肝臓・腎臓・脳・心臓・血漿中Toc濃度測定し、その期間の繁殖状況について検討した。繁殖は、仔が確認されたものを出産とし、3週齢まで育った仔マウスを離乳とした。上記各飼料で飼育し、4週齢、8週齢、12週齢で処理し、血漿、肝臓、腎臓、筋肉、脂肪組織、皮膚、脳を分離して、ビタミンE濃度はHPLCで測定した。 (結果)肝臓および肝外組織である心臓、腎臓では高Toc食によるTocの取り込みが見られたが、脳では見られなかった。しかし脳では、ゴマ摂取によるTocの有意な上昇が見られた。メスではオスより体内Toc濃度が高い傾向にあるが、ゴマによるToc濃度上昇においてはオスと同じであった。繁殖ではE欠群において出産せず、50α群では出産するもののすぐに死滅してしまった。50α群と50α+ゴマ群において有意な差はみられなかったが、50α+ゴマ群は出産、離乳に成功した。1600α群においては他群と比較し有意に離乳匹数が高値を示した。繁殖に成功した群は50α+ゴマ群(20%)、1600α群(100%)であった。
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Research Products
(3 results)