2006 Fiscal Year Annual Research Report
αTTP遺伝子欠損時のトコフェロール代謝に及ぼすゴマ摂取の影響
Project/Area Number |
17300240
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
山下 かなへ 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (40080113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和 椙山女学園大学, 生活科学部, 助手 (60367638)
阪野 朋子 (遠山 朋子) 金城学院大学, 生活環境学部, 助手 (00387599)
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Keywords | αTTPKOマウス / α-トコフェロール / γ-トコフェロール / ゴマ / ゴマリグナン / セサミン / α-CEHC / γ-CEHC |
Research Abstract |
自然界に存在する8種類のビタミンE同属体の中でα-トコフェロール(α-Toc)が際立って高いビタミンE活性を示すのは、肝臓に存在するα-Toc輸送たんぱく質(αTTP)がα-Tocと特異的に結合してVLDLに運び全身に輸送するからである。本研究は、ビタミンE同属体の生理活性を決める鍵となるα-トコフェロール輸送たんぱく質(αTTP)の遺伝子を欠損させたマウス(αTTP-KOマウス)を用いて、ゴマ摂取によるビタミンE濃度上昇の機構を解明することを目的とする。ゴマリグナンがビタミンEの分解を抑制するがラットや細胞レベルの研究で明らかになっている。本年度は、αTTP-KOマウスにゴマまたはゴマリグナンのひとつであるセサミンを投与して、ビタミンE代謝物であるカルボキシエチルヒドロキシクロマン(CEHC)の尿中への排泄量を測定した。中外処方飼料(1600mg/kg)で飼育繁殖させたαTTP-KOマウスをα-Toc50 mg/kg、α-Toc 50 mg/kg+ゴマ12%、α-Toc1600 mg/kg、γ-Toc50mg/kgとγ-Toc50mg/kg+ゴマ12%,γ-Toc1600 mg/kgの6種の飼料で6週齢から10週齢まで4週間飼育し、最後の24時間尿を採取し、尿中α-およびγ-CEHC量を測定した。また、血漿、肝臓、脳のビタミンE量を測定した。 その結果、尿中γ-CEHCはα-CEHCに比べ顕著に高く、血漿・組織のα-Toc濃度はγ-Tocに比べ有意に高く、生体内ビタミンE濃度はαTTP以外にビタミンE分解酵素CYP3Aまたは4Fも関与していることがわかった。ゴマやセサミン投与で尿中α-およびγ-CEHC量は有意に減少したが、生体内ビタミンEはわずかな上昇で、ラットに見られたような顕著な上昇は認められなかった。ゴマによる生体内ビタミンE濃度上昇効果にαTTPが重要であることがわかった。
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Research Products
(3 results)