2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔感覚粘度の直接計測法の開発とその介護食品への応用
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17300242
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
神山 かおる National Agricultural Research Organization, 食品総合研究所食品機能研究領域, ユニット長 (00353938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早川 文代 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (00282905)
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Keywords | 食品 / 医療・福祉 / 咀嚼 / 介護食 / サイコレオロジー / 嚥下 / リハビリテーション / 農林水産物 |
Research Abstract |
高齢社会において、摂食や嚥下機能に障害のある者が増加し、物性を調整した介護食品のニーズが高まっている。本研究では、食品を実際に咀嚼する条件で、直接計測することにより、口腔感覚を簡便かつ正確に評価することを目標としている。前年度までに、口腔感覚粘度を測定する簡易なデバイスを設計し、健常者と摂食機能に障害のある患者との差異を解析した。高齢であっても健常者は、若年者と咀嚼パラメータの相対値は類似していることが明らかになった。 そこで今年度は健常被験者に、広い物性範囲から選んだ食品(乾パン、こんにゃく、ドライソーセージ、ソフトキャンデー、生ダイコン、たくあん、生ニンジン、茹でニンジン)を通常通りに試食させ、その際に閉口筋の筋活動と切歯部における下顎運動を計測した。物理化学的機器測定から得た28種の特性値と咀嚼計測から得た63個のパラメータとの関係を、体系的に整理した。咀嚼挙動は個人差が大きいため、被験者毎に8食品の咀嚼パラメータ平均値に対する相対値を計算し、このクラスター分析から9群が抽出された。各群を代表する咀嚼パラメータを選び、主成分分析を行ったところ、3つの主成分、それぞれ咀嚼周期及び咀嚼時間、咀嚼初期における最小開口距離、咀嚼力に関係するものが抽出できた。食品の変形度が比較的小さい(圧縮歪<50%)時の性質は、咀嚼挙動に影響せず、破壊特性は、咀嚼初期の挙動は変えるものの、咀嚼過程全体に及ぼす影響は小さかった。極めて大きい変形条件下での力学抵抗性力値が咀嚼初期の、付着性が咀嚼中期から後期の、咀嚼挙動に最も影響していることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2008
Author(s)
神山かおる
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Journal Title
『食品技術総合事典』(食品総合研究所編)の「食物テクスチャーに対する高齢者の嗜好性」,「高齢者食の設計」,「そしゃく計測」(計3項目を分担執筆)(朝倉書店)
Pages: 80-83, 84-88, 461-464