2006 Fiscal Year Annual Research Report
科学博物館等における数学展示・実験教具とその実践手法の開発研究
Project/Area Number |
17300243
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
礒田 正美 筑波大学, 人間総合科学研究科, 助教授 (70212967)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 義和 国立科学博物館, 経営計画室, 室長 (60233433)
清水 静海 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (20115661)
田中 二郎 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (20251043)
長崎 栄三 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 総括研究官 (50141982)
|
Keywords | さおばかり / 万華鏡 / 科学博物館 / 数学化 / 実験 / 体験学習 / ハンズオン / モデル化 |
Research Abstract |
本年度は、計画に関わって、昨年度の研究成果の学会発表し、本年度の数学展示物の実践手法に関する研究開発を行い、開発用マニュアルの中核をなす視覚映像・アニメーション展示を開発するためのソフトウェア製作を行った。 国立科学博物館にて、「さおばかり」、「万華鏡」に関わる算数・数学展示を開発した。科学博物館での体験学習の特徴は、幼児から老齢者まで・友人から親子までが一度に参加すること、同じ作業を行ってもその作業による体験内容が個に応じて著しく異なること、短時間でしかも参加者間の人間関係がないこと、参加者が発見に関心を持って集まっていることなどにある。この一時的混交集団において、相互に体験を楽しめるようにするための、教材、実践手法をこの2例についてケーススタディを行った。 「さおばかり」は、てこの原理、モーメントを基盤にした歴史上の秤であり、算数・数学では、量、比、比例、一次関数に関する教材となる。量、比、比例、一次関数は、それぞれに学習時期が異なるものであり、一時的混交集団において行われる個別体験は、体験者が何を既習にどのようなものとそれをとらえるか、そこでの体験が次のどのような内容の学習に役立つかなど、その意義は異なるものとなる。ケーススタディでは、そのような一時的混交集団に対する作業と問い・仮説・検証を有機的に連関させた実践プログラムを開発した。 「万華鏡」は、鏡映変換という鏡の性質や視点・視線・原像・鏡像による空間の位置関係を利用して、鏡が相互に映し出す鏡像の世界を鑑賞する道具であり、線対象、空間図形に関する教材となる。ここでは1枚の鏡、2枚の鏡、3枚の鏡と鏡の枚数を順次増やすことで、鏡の性質を繰り返し適用し、それぞれの段階でわかることを確認することで、万華鏡が映し出す世界が、どのように成立しているかを構成的に明らかにする実践プログラムを開発した。
|
Research Products
(6 results)