2005 Fiscal Year Annual Research Report
国際理数科教育協力に対する生徒実験支援ツールの作製とその現職教員研修における評価
Project/Area Number |
17300250
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
池田 秀雄 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50112165)
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Keywords | 国際教育協力 / 実験教材開発 / ウェブ教材 / マルチメディア教材 / フィリピン / ケニア / 理科教育 |
Research Abstract |
広島大学では開発途上国から多数の理数科教員を受け入れ、また、フィリピン大学においては日本の国際開発協力機構を通して開発途上国(主にケニア)の理科教員研修を実施している。本研究では、開発途上国の理数科教員の実験観察技能向上を期し、ウェブ上で利用可能な生徒実験支援ツールを開発し、実施中の教員研修で実際に活用し、開発した教材の評価を試みる目的で研究を開始した。 平成17年度においては、基本的には過去に日本の生徒用に開発したウェブ教材を、フィリピン・ケニアのカリキュラムと対照して途上国の環境に適合するように改良して編集し直し、一部簡易実験を加えて英語版を作製した。この教材をフィリピン大学で実施した第三国研修(ケニア集団研修)で実際に試験的に導入し、開発した教材の効果を検証した。実施にあたっては、研究代表者がフィリピン大学の状況を事前調査し、フィリピンのスタッフを日本に招聘して事前打ち合わせを行い、実施中には日本から大学院生を調査の目的で派遣し(ともに本科研の旅費を使用)、実施中の問題点の検討や事後評価を行った。その結果、開発した教材は、教員研修の教材として有効で、実験・観察の支援ツールとして十分に利用可能であることが明らかとなった。しかしながら、情報通信速度が遅くカラー動画等のダウンロードが必ずしもスムーズに利用出来ない、地方における利用を考慮すると電話回線利用が困難な場所も想定される、教材として現地で入手困難なものが多い、などの問題点も多いことがわかった。したがって開発した教材をCDに焼いて配布して提供を始めた。また、日本のカリキュラムにあわせたものを部分的に改変した状況では不十分であり、根本的に途上国のカリキュラムに沿ったものを開発する必要があることが解った。現在、ザンビア、バングラデシュ等のカリキュラムや教科書における実験観察の内容を調査しており、次年度以降の解決すべき課題が残された。
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Research Products
(2 results)