2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア教材を用いた英語リズム学習過程における脳内変化と学習ロボットの開発
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17300270
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
夏目 季代久 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (30231492)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 秀子 九州共立大学, 工学部, 助教授 (20309735)
古川 徹生 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (50219101)
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Keywords | θ波 / 英語リズム学習 / マルチメディア / 学習用ロボット / 教育工学 |
Research Abstract |
英語リズム学習を行っている時の日本人L2学習者の脳から10/20法に基づき、Fz,Cz,Pz,Oz,F3,4,T3,4の8カ所より脳波を測定した。英語リズム学習は、1979年、グラハムによって開発され、共同研究者の中野によって改変された、Jazz Chants for Childrenというリズム教材を用いて、1日15分間ずつ計5日間行った。リズム教材用いた学習後、5人の被験者の英語リズムは、Nativeの英語スピーカに近くなった。また、その時得られた脳波を、MEM法に基づく周波数解析ソフトであるMemCalc(諏訪トラスト社製)によって周波数解析を行った。その結果、F3,F4での前頭部θ波(Fmθ;4-8Hz)パワーが、5日間の学習期間において、他の部位に比べて有意に増加した。また、各被験者が英語リズム教材にフォロー出来るようになった日と、Fmθ波のパワーが最大になる日とは一致した。Fmθ波のパワーは、その後減少した。しかし、6ヶ月間オーストラリアで過ごしていた直後に測定した被験者や、英語を母国語とするインドからの留学生では、以上の傾向は観察されなかった。この事は、英語リズム学習において、Fmθ波が関与する事を示唆しており、特に英語リズムの記銘の時期にFmθ波が関与する事を示している。 苧阪らの研究(2002)によれば、課題目標に集中する時、一時的に脳が外来の刺激を抑制する時に発生すると考えられている。今回の英語リズム教材を用いた課題においても、教材によって外来刺激の邪魔が無くなり課題に集中できる脳内環境になり、徐々に被験者は英語リズム教材のリズムを脳内に記銘し、最終的に英語リズム教材を全てフォロー出来るようになったものと考えられる。この過程にFmθ波が関与すると予想される。
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Research Products
(10 results)