2006 Fiscal Year Annual Research Report
海底遺跡出土遺物の調査・分析・保存に関する基礎的研究
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17300293
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Research Institution | (財)元興寺文化財研究所 |
Principal Investigator |
植田 直見 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10193806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30241269)
川本 耕三 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10241267)
尾崎 誠 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 技師 (50224209)
橋本 英将 (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (80372168)
池田 英史 琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)
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Keywords | 武器・武具 / 蛍光X線分析 / X線透過撮影 / 海底遺跡 / X線CT撮影 / 現地調査 / 出土鉄製品(7) |
Research Abstract |
18年度は17年度に調査し、選別した遺物を元興寺文化財研究所まで搬送し、より出力の大きな装置で撮影を実施した。なお、遺物は2回(主に1回目は刀剣類、2回目は冑類を中心に)に分けて研究所に搬送した。刀剣類については実見結果とX線透過撮影の結果を基に形状を検討し、身元確認と履歴の調査を進めた。また、冑類については形状より冑と鍋の両面から検討する必要があることを確認した。当初の調査では全て冑と認識されているが鍋であるものも存在する可能性があると考えられた。さらに、X線透過試験の結果、外観からでは観察されなかった部品の存在などが確認できた。しかし、本来の金属部分は完全になくなって錆に置き換わっているためX線撮影でも構造を把握することが難しいものもあった。さらに、これらの資料の身元確認と履歴の調査を主とした資料化を行うために、関連が深い韓国において遺物を調査した。これらの結果より、韓国だけでなくモンゴルや中国など関連国の調査をする必要性を認めたため、来年度実施する方向で進める。 また、小札についてはその形態を調査し、塗布されている漆の年代測定を実施するためサンプリングを行いその一部について分析を実施した。その結果、年代的には整合性が認められることがわかった。 今年度で対象とした遺物自体の調査はほぼ終了した。しかし、調査結果より再度、詳細な調査・分析が必要なものもあった。そのため、来年度は不十分であったものについては再調査を実施する。
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