2006 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像による氷河・氷河湖の変動解明:モンスーンアジアと乾燥アジアでの比較
Project/Area Number |
17300296
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
岩田 修二 立教大学, 観光学部, 教授 (60117695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 洋 首都大学東京, 都市環境学部, 助教授 (50264586)
篠田 雅人 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (30211957)
中山 大地 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (90336511)
上田 豊 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80091164)
青木 賢人 金沢大学, 文学部, 助教授 (30345649)
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Keywords | 氷河変動 / 氷河湖拡大 / 気候変化 / 水収支 / モンスーンヒマラヤ / 乾燥アジア / 衛星画像 / マッピング |
Research Abstract |
1.研究に必要な備品・空中写真・衛星画像・地図などを購入・入手した. 2.モンゴルとインドヒマラヤ地域へ情報収集のため研究分担者を派遣した.衛星画像の判読,マッピングなどの作業を行った. 3.モンスーンアジア:ブータンでは,最近50年間の氷河縮小・氷河湖拡大などの変化をまとめ,災害の危険を警告した.インドヒマラヤ地域については,Lahul Himalayaで現地調査をおこない,近年は継続的に氷河末端が後退傾向にあることを確認した. 4.乾燥アジア:パキスタン北部では,小規模氷河の最近の縮小と,対照的に大きな氷河が拡大傾向にあることが明らかになった.モンゴルモンゴル西部地域(モンゴル・アルタイ)では,1950年前後撮影の航空写真を基にした地形図と2000年前後取得された衛星画像(Landsat7ETM+)の画像を用いて氷河面積変化を明らかにした。氷河面積は1940年代から2000年までに10〜30%減少し,この縮小は遅くとも1980年代後半までに起こり,それ以降2000年まで氷河形状に目立った変化は認められないことが明らかになった. 5.気候変化:最近1960〜2001年のモンゴルにおける気温・降水量・積雪変動を解析した結果,1960,70年代は寒冷多雪であるのに対して,90年代は温暖化に伴って温暖多雪が出現したことが明らかになった.天山山脈周辺の中央アジアでは,既存の地点降水量データ(Global Historical Climatology Network, GHCN Ver.2)に関する基本的な情報をまとめた.GHCN Ver.2には,生データと不均質性を補正したデータの2つがあり,中央アジア(特に旧ソ連の国々)の場合,これら2種類のデータが利用可能なため,まず,両者を比較してデータの品質管理を行なう必要があることが分かった. 6.まとめ:以上の結果,モンスーンアジアと乾燥アジアでの氷河変動の様相が異なっており,それと対応する気候変化が存在することが明らかになった.
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Research Products
(6 results)