Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喬 法政大学, 工学研究科, 教授 (60267325)
岡本 耕平 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (90201988)
村越 真 静岡大学, 教育学部, 教授 (30210032)
矢野 桂司 立命館大学, 文学部, 教授 (30210305)
有川 正俊 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教授 (30202758)
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Research Abstract |
本研究課題を構成する5つのサブテーマについて,本年度は下記のような成果が得られた. (1)地図のユビキタス化の現状把握については,カーナビ,携帯電話,インターネットの検索サイトをとりあげて,地図の使われ方と表現の特徴を分析した.その結果,これらの新たな媒体での地図は,基本的には紙地図の表現を踏襲しながらも,デジタル独自の表現手法(対話性,動画・音声を加えたマルチメディア機能など)を駆使した工夫がみられることが明らかになった. (2)新しい地図のデザインと表現については,GISとVR(ヴァーチャル・リアリティ)技術を組み合わせた地理空間の新しい表現について,京都を事例とした歴史的景観の復元への応用を検討した.また,点分布にみられるクラスター性や分布の平滑化する新たな手法を考案した. (3)利用者の側からみたデジタル地図の効果については,携帯電話やインターネットを含むデジタル地図の利用実態とその評価について大学生を対象に実態調査を行った.その結果,携帯電話地図には改善の余地はあるものの,ウェブ配信地図の利用はかなり浸透してきており,入手の手間や利用の際の障害が紙地図よりも小さいという評価を受けていることが明らかになった.また,カーナビの利用者に対するインターネット・アンケートを実施し,カーナビ地図利用における男女差を中心にした分析を行った.その結果,従前の空間認知研究で明らかになった男女差の一端が,カーナビ利用にも反映されていることがわかった. (4)対話型地図作成の応用については,インターネットにおけるWeb2.0の動向を調査した結果,それが対話式で利用者の状況に応じて表現や内容を変えることができることから,「エゴセントリック・マッピング」ともいうべき新たな地図作成を促進しつつあることが明らかになった. (5)国際比較については,今年度は関連文献の収集と整理にとどめた. なお,今年の成果と昨年度の成果を総合して成果報告書を印刷し,関係する機関・研究者に配布した.
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