2005 Fiscal Year Annual Research Report
三宅島2000年噴火の土壌微生物生態系への影響評価
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17310018
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| Research Institution | Ibaraki University |
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Principal Investigator |
太田 寛行 茨城大学, 農学部, 教授 (80168947)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 正亜 茨城大学, 農学部, 教授 (40007688)
笠原 康裕 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20273849)
東 照雄 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20094170)
上條 隆志 筑波大学, 生命環境科学研究科, 講師 (10301079)
難波 謙二 福島大学, 共生システム理工学類, 助教授 (70242162)
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| Keywords | 火山灰堆積層 / 鉄酸化菌 / 水素酸化菌 / スコリア / 硫化カルボニル消費 / 独立栄養性微生物 |
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| Research Abstract |
本研究は、火山噴火が陸地生態系に及ぼす影響を、三宅島を調査・研究のフィールドとし、土壌微生物の群集構造や動態変化に着目して解析しようとするものである。本年度の研究成果は、以下のように要約される:
1)雄山の火口に近い地点では、植生の回復が全く無い状態であるが、2000年噴火堆積火山灰層の土壌微生物全般のポプレーションは比較的高いで状態であった(10^7/g乾土)。特に、鉄酸化菌(10^6/g乾土)と水素酸化菌(10^5/g乾土)が通常の土壌よりも高い割合で存在した。これまでの土壌DNAの分析結果からすると、鉄酸化菌は偏性独立栄養性のLeptospirillum属細菌であることが推察された。また、本採取試料について、一連のガス代謝活性を測定したところ、通常の土壌と異なり、炭酸ガス吸収活性が検出され、独立栄養性微生物による炭酸ガス固定が起こっていることが示唆された。これらの結果は、無機的な新鮮火山灰堆積物において、すでに化学合成無機独立栄養性の微生物生態系が成立していることを示すものである。
2)三宅島は過去に噴火を繰り返しており、2000年の火山灰堆積層だけでなく、1983年、1962年、1874年のスコリア堆積物、そして800年以上経過した火山灰由来土壌についての分析が可能である。それらの試料について、微生物数と一連のガス代謝活性、全炭素と全窒素について分析した。その結果、全炭素と硫化カルボニル(COS)消費活性との間に飽和型曲線の関係がみられた。このことは、試料の有機物含量の増加とともに微生物の密度増加と生態系の多様化が起こるという一般的な関係は、COS消費活性という尺度で捉えられることを意味する。現在、COS消費活性が火山噴火堆積物の土壌化の指標に出来るかどうか、さらに検討を重ねている。なお、本研究成果の学会発表(第21回日本微生物生態学会)は優秀ポスター発表賞に選定された。
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Research Products
(3 results)
