2006 Fiscal Year Annual Research Report
ウッド・マイレージに基づく木材貿易に関する環境負荷の定量化
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17310030
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
立花 敏 独立行政法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域, 主任研究員 (50282695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 信 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (20164436)
安村 直樹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科附属演習林, 助手 (70280948)
堀 靖人 独立行政法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域, 室長 (80353845)
山本 伸幸 独立行政法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域, 主任研究員 (90284025)
嶋瀬 拓也 独立行政法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域, 主任研究員 (80353720)
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Keywords | 林産物貿易 / 木材輸送エネルギー / 輸送距離 / 環境負荷 / 林業 / 木材産業 / 日本 / 韓国:カナダ:英国:豪州:フィンランド |
Research Abstract |
輸入木材のウッドマイルズ(WM)算出法に関し、輸入品を含む木材の国内輸送距離について統計データによる解明の可能性を検討した結果、少なくとも公的統計において輸入品(素材、製品)の国内流動状況を直接把握しうるデータはなく、何らかの加工が必要であることが分かった。また、主要国での研究結果は次の通りである。日本では、1961年以降の木材チップの国内流通に伴う平均輸送距離は1988年を頂点とする山型に推移し、出荷量拡大時に輸送距離が拡大し、出荷量縮小時には短縮する傾向があり、製材品とは対照的な動きを示している。韓国では、輸入依存(国産材自給率8%程)により四の値は大きい。テベク山脈周辺を中心に国産材生産が行われ、その北部の木材は京畿道で、南部の木材は慶尚南道で加工される。素材集荷圏は100km圏内が主で、素材や製品の輸送にはトラックを用いる。カナダBC州では、沿岸部と内陸部で林産業の性格が異なり、2×4材主産地の内陸部では原木集荷圏が120〜150kmである。近年は、中国や中近東の経済発展、対米輸出関税の問題等を受け、出荷圏は拡大傾向にある。豪州では、年間伐採量は約2700万m^3であり、主な輸出品であるチップの殆どがタスマニア、ビクトリア、西豪州の港から輸出される。日本向けが多い。伐採地から加工地まではトレーラーで輸送され、平均距離は80km、平均燃費は1.7km/1である。英国では、製材品の多くをスウェーデン、フィンランド、ラトビアから輸入する。輸入港はHul1、Tilbury港等で、消費地への輸送には25tトラックを利用し、平均輸送距離は200km程度である。フィンランドでは、日本向け主要輸出工場であるS社Kitee工場の場合、輸出経路はKitee-列車-Kotka-船-ハンブルグであり、国産材集荷圏は半径70kmをトラック輸送、ロシア材は鉄道輸送が主で、集荷圏は短期変動する。
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Research Products
(21 results)