2007 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線によるDNA損傷の修復機構とユビキチン化の役割
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17310040
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
菅澤 薫 Kobe University, 自然科学系先端融合研究環バイオシグナル研究センター, 教授 (70202124)
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Keywords | ヌクレオチド除去修復 / 色素性乾皮症 / DNA損傷認識 / ユビキチン化 / XPC / UV-DDB |
Research Abstract |
ヌクレオチド除去修復(NER)のDNA損傷認識に必須であるXPCタンパク質が、細胞の紫外線照射に伴ってUV-DDB依存的に受ける可逆的ユビキチン化の意義を調べるため、既知の脱ユビキチン化酵素(DUB)をノックダウンするsiRNAライブラリーをスクリーニングしてXPCのDUB候補を得た。しかしながら、このDUBをノックダウンした場合でも細胞のNER活性に特に有意な変化は認められなかった。DUBの発現抑制が不完全であることに加えて、細胞内でユビキチン化されるXPCの割合が小さいため、UV-DDB非依存的なXPCによる直接的な損傷認識経路が主に働いていることが想定された。そこで、DDB2(XPE)を安定に過剰発現するヒト細胞株を樹立することにより、紫外線照射時のXPCのユビキチン化を大幅に亢進させることに成功した。この細胞を用いてより効率の良いDUBのノックダウン条件を探ると共に、紫外線損傷の修復活性や細胞応答に対するDUBノックダウンの影響を調べている。 一方我々は、XPCがユビキチン様タンパク質であるSUMOによる修飾を受けることを見出している。精製タンパク質を用いてXPCのSUMO化を試験管内で再構成することに成功し、この系を利用して少なくとも3か所のSUMO化部位を同定した。この3か所のリジン残基をすべてアルギニンに置換した変異XPCを安定に発現するヒト細胞株を作成したところ、紫外線照射後の(6-4)光産物の修復に遅延が認められた。SUMO化XPCと特異的に相互作用する因子の探索も含め、現在このメカニズムについて解析を進めている。
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Research Products
(13 results)