2006 Fiscal Year Annual Research Report
シミュレーターを用いた廃棄物ガス化燃焼特性解析と高効率廃棄物熱処理システムの構築
Project/Area Number |
17310044
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
古内 正美 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (70165463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 吉生 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10152175)
畑 光彦 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (00334756)
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Keywords | シミュレーター / 重金属類 / 廃棄物熱処理 / 成分分離 / 粒子化 / 滞留時間 / 反応速度 / 燃焼状態 |
Research Abstract |
本研究では,新しい廃棄物熱処理技術の実現に向けて燃焼から排ガス処理まで一連の廃棄物処理プロセスを通した大気汚染物質,とりわけ排ガス中粒子状物質の挙動把握を目的とする。重金属の状態は,温度,ガス組成,他の共有成分等により変化するため,これを厳密に制御できる小型実験装置(シミュレーター)を試作し,模擬実験を行う。今年度は,製作した移動層焼却シミュレーターのための基礎的検討として固定層燃焼実験を行い,混合状態による燃焼状態の変化および排ガス組成,粒子状物質の成分を検討した。 ドラフトチャンバー内に試作した固定層型廃棄物焼却シミュレーターを設置し、木材・廃プラ・鶏糞・砂等種々の混合比・層厚さ・混合状態で調整したモデル廃棄物をワイヤーメッシュで保持して充填層としたものの燃焼試験を行った。燃焼排ガスの組成をポータブルガス分析計で測定し、燃焼・反応に伴って変化する充填層差圧の経時変化を測定した。飛灰の成分・物性を把握するために、4段階に分級捕集した粒子状物質の成分分析を行い,その存在状態について検討した。 取得データを基に、廃棄物燃焼シミュレーターを製作し燃焼状態が排出物におよぼす影響、廃棄物の性状が燃焼状態におよぼす影響について排ガス組成を評価し,混合状態と燃焼状態が生成するSO_2,NO_2等ガスの発生量と粒子の組成に与える影響を確認した。粒子径毎に成分が著しく異なることから,温度のみならず,分級技術を組み合わせることにより重金属成分分離の精度を向上できる可能性があり,次年度に検討することとした。 これらの結果から,燃焼時に必要となる充填状態および混合状態の指針を設定した。また,多様な条件に対応して廃棄物燃焼シミュレーターを運転するために必要な装置上の課題を明らかにした。次年度は,得られた結果をもとに,最終的な廃棄物ガス化燃焼シミュレーターの特性把握を進め,装置の改良・最適化を行う。
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Research Products
(3 results)